丈夫で育てやすく入手もしやすいポトス。茎が長くなってきたら、ポトスの挿し木に挑戦してみましょう。失敗しないためのポイントを解説します。
目次
ポトスを増やそう
昨年10月に購入したポトス・ステータス。3号鉢で購入しましたが、初夏に少し大きな鉢に植え替え、夏から秋にかけて茎がだいぶ伸びました。
1本だけ伸び過ぎてしまい、バランスが悪いので鉢内に入れていたのですが、10月下旬に切って増やしてみることにしました。
それとステータスの後に購入した名無しポトス。マーブルクイーンだと思います。こちらも購入したときは小さかったですが、春に5号釣り鉢に植え替え、ステータスを上回るスピードで伸びました。だからマーブルクイーンはどこでも売っていますが、ステータスは流通量が少ないのかもしれません。
挿し木で増やす
ポトスは挿し木で容易に増やすことができます。水に挿しても発根しますし、土に挿しても発根します。
水に挿す方法のメリット
水に挿す方法のメリットは発根が確認できる点です。ただ発根後に土に改めて植え直す必要があり、このときに失敗してしまうことがあります。根を傷めないように植えて、乾かさないように、根腐れもさせないようにするのが大事です。
水差し発根のいろいろについてはこちらの記事をどうぞ。
土に挿す方法のメリット
土に挿す方法のメリットは植え直しが必要ないことです。デメリットは発根が目で確認できない点です。
今回は最も簡単な方法を追求したいと思ったので、土に挿すことにしました。しかも同じ鉢の隙間に。
ステータスのほうです。まずはバランスの悪い長く伸びた茎をカットします。これを切り分けて挿し穂にします。
それぞれの葉っぱの下に気根が少し出ているのがわかるでしょうか。これが土または水に挿すと伸びてきます。基本的には分岐する茎の付け根から出てきています。この気根は、茎を切らなくても土に埋めておくと伸びます。
実験的に葉の数を1枚と2枚以上に分けてみました。気根も1つまたは2つついています。
ここまでは水に挿す場合も同じです。これを水を入れたコップなどに入れておけば、時期がよければ発根します。
今回はこれを鉢の隙間に挿します。竹串などで土に穴を開けてから、しっかり気根が土に埋まるように少し深めに挿します。浅いと乾いてしまったり、水やりのときに土が浮いて動いてしまいます。
あとは、適度な湿り気を維持して、発根を待ちます。温度は20度以上あるときのほうが成功率が高いでしょう。
いまこの部屋は夜の10時で17度前後あります。水にポトスを挿しているのですが、根に動きが見られません。朝方はもう少し下がるので気温が足りないのだと思います。春から秋の気温が高い季節にやったほうが成功します。
葉っぱは2枚以上で
12月中旬になり、葉っぱを引っ張ったらしっかり根が張っていそうだったので、抜いて根の状態を見てみました。
葉っぱ2枚のものは根が長く伸びています。気根は2つありましたが、下のほうの気根がよく伸びました。
茎が切られると葉から成長ホルモンが送られ最下部に到達し、発根を促進します。成長ホルモンは重力の作用を受けるので、一番下になっている部分の濃度が高くなります。
一方、1枚しか葉をつけなかったものは発根が遅く、成績が2枚の場合よりも劣りました。まだ発根していないのは、その後水挿しに変更したのですが、まったく動かなくなりました。水は吸っていますから枯れはしませんが、温度が足りないようです。
1枚のほうが成績が悪かった原因として考えられるのは
- 成長ホルモンが少ない
- 軽いので水やりのときに抜けやすい
- 水分が少ないので乾きやすい
あたりかなと。1枚でももっと条件の良いときにやればできなくはないと思いますが、2枚以上のほうが確実だと思います。
欲張りすぎた・・・。全部2枚でやればよかった。
ポトスをわさわさにするには
1鉢に複数のポトスを植えると、手っ取り早くポトスのボリュームを出すことができます。
株元から新芽も自然に出てきますが、鉢の隙間が目立つようなら、そこにもう1つ植えてしまったほうがボリュームが出ます。
左右2本の長い茎は、もとからある中心の株から出ていますが、その間の部分がさみしかったので挿し穂を植えました。これが長く伸びれば、下に枝垂れる茎がさらに増えてボリュームが出ます。
壁際に吊るしているため、後ろ側は日光があたりにくいので、後ろ側に出てしまった新芽が伸びたら、切って前に挿すといいんじゃないかと思います。
ポトスは寒さに弱くはないですが、本格的に成長するのは春から秋なので、冬はあまり無理をさせないようにして、暖かくなったらやってみてください。
ポトスを挿し木で増やすためのポイントまとめ
- 何よりも温度が重要(暖かい春から秋に)
- カットする位置(気根をつけて)
- 葉は1枚より2枚以上のほうがいい
- 気根が土にしっかり埋まるように少し深めに挿す
- 土の湿り気を保つ
- じっと待つ(動かさない)
おわりに
最も育てやすい観葉植物ともいえるポトス。昔からある生育旺盛なゴールデンポトス、ライムグリーンのライムポトス、斑入りの美しいマーブルクイーン、新品種のステータスなど、最近はさまざまな品種があります。
少し日当たりが悪くても育ちますし、初めてインテリアにグリーンをとりいれたいなら、難しい植物に手を出す前に、まずポトス。
たかがポトス、されどポトス。ポトスに始まりポトスに終わる。ポトスを笑うものはポトスに泣く。人のポトス見て我が振り直せ。ポトスは人のためならず。ポトスの告白。罪と罰とポトス。
では皆様、よいポトスをお迎えください。じゃなかった。よいお年をお迎えください。
少し内容が重複していますが、下記の記事もよかったらご覧ください。
観葉植物ポトスの育て方。ボリュームアップや水やりのコツを解説