前から欲しかったフィロデンドロン・ピンクプリンセスをゲットしました。バブルガムピンクの斑入りフィロデンドロンです。偽物の斑入り植物についてもお話しします。
フィロデンドロン・ピンクプリンセス
フィロデンドロン・ピンクプリンセスは、フィロデンドロン・エルベセンス(Philodendron erubescens)の栽培品種です。
フィロデンドロン・エルベセンスはコロンビア原産のフィロデンドロンで、このエルベセンスからさまざまな栽培品種がつくられています。
ピンクプリンセスもその一つで、「バブルガムピンク」と形容されるマットなピンクの斑入りの葉っぱが特徴的です。
わたしも数年前に見て「これ欲しいな〜」と思ったものの、当時はあまり流通していませんでした。いまは楽天のお店でも買えます。昔に比べたらレアではなくなったのかなと思います。
楽天のお店からお届けされたピンクプリンセス、略してピンプリ。考えてみたら実物を初めて見ましたが、確かにピンクですね。茎はもっと赤いです。
エルベセンスはRed-leaf Philodendron(赤葉のフィロデンドロン)とも呼ばれるので、赤い色素を持っているんでしょう。
葉緑素の発現に変異が生じて、葉緑素のある部分は緑に、ない部分がピンクになるわけですね。ただこのピンクの斑は、全部の葉っぱに入るわけではないです。
手前のボケている茶色っぽい葉っぱは新葉です。まだ葉緑素が少ないために全体的に茶色っぽく見え、だんだん緑の部分とピンクの部分がはっきりしてきます。
で、もっと大きくなるとピンクが抜けていくようです。
大きい古い葉っぱは緑が濃く、ピンクが薄いです。
フィロデンドロン・ピンクコンゴにご注意
ピンクプリンセスは、挿し木で増やしても斑入りにならないものが多いそうです。斑入りにならないとピンクプリンセスとして販売できません。だから流通量が少ないのです。ちゃんと選別して特徴が出ているものを販売しているわけですね。
そのせいなのか、海外では「ピンクコンゴ」という人工的に葉っぱをピンク色にしたフィロデンドロンが流通しているそうです。
とある薬剤を使ってエチレン濃度を上げると葉緑素が抜けるらしく、ハウスにエチレンガスを充満させたり、葉っぱに塗ったりもするそうです。
エチレンは果物の熟成(老化)に関与するホルモンです。植物の成長を阻害し、代わりに果実を熟成させます(リンゴが赤くなる)。
このエチレンの作用を利用して人工的にピンクにしているだけなので、新しい葉っぱはピンクになりません。なので、しだいに緑色の普通のフィロデンドロンに戻ってしまいます(枯れなければ)。
ピンクプリンセスとの違いは、写真を検索していただければ一目瞭然なのですが、ピンクコンゴは、完全に葉緑素が抜けている葉っぱが中心部に何枚もあります。薬を使用したところから新葉が全部ピンクになっているわけです。
一方、ピンクプリンセスの場合は、基本的には1枚の葉の中にピンクの部分と緑の部分があります。途中からピンク一色になっていて、それが何枚もあるのは、ピンクコンゴというか、薬でピンクにしただけのものである可能性があります。
ピンクの多肉にもご注意
最近、多肉植物の一部でもピンクコンゴと同じことが行われているようです。
薬剤で葉緑素を抜いてピンク色にした多肉植物が、別の名前を付けられ、高い値段で販売されています。よくて緑に戻るか、最悪枯れる可能性があります。
薬剤で葉緑素を抜いた植物を斑入りの新品種と偽って販売するのは、不当表示(優良誤認)に該当する可能性があるんじゃないでしょうか。
ピンク色の怪しい植物には気をつけましょう。
ではまた〜。