葉っぱがかっこいい(花は地味な)アンスリウム・クラリネルビウムを植え替えました。室内での育て方のポイントについてもお話しします。
アンスリウム・クラリネルビウムの特徴
アンスリウムというと赤や白やピンクの花が咲くアンスリウムが一般的ですが、こちらのアンスリウムは、葉っぱに鑑賞価値のある、逆に言うと花はまったく見るところのないアンスリウムでございます。
ちなみにこのピンクの花が咲いているのは普通のアンスリウムです。クラリネルビウムの花は、これと比較するとびっくりするほどしょぼいです。
アンスリウム・クラリネルビウム(anthurium clarinervium)は、サトイモ科アンスリウム属の原種のアンスリウムで、自生地はメキシコのチアパス州の熱帯雨林です。チアパス州はメキシコの南東部にある、グアテマラと国境を接している州です。
この亀の甲らのような模様は葉脈です。こういう網目状の葉脈を「網状脈」といいます。双子葉類では一般的なのですが、単子葉類ではあまり一般的ではなく、網状脈を持つ単子葉類はサトイモ科が多いんだそうです。
しかも、このクラリネルビウムは、ダークグリーンの葉っぱに、網状の葉脈が透かし模様のように浮き出ており、より個性的に見えます。あみだくじをしたくなるというか、一筆書きっぽいというか、葉脈が主張しているのです。花が地味だから(しつこい)。
ちなみにClariは「はっきりしている」、nerviは「神経」を意味します。この網目状の神経ネットワークのようなはっきりした葉脈が、クラリネルビウムの名前の由来なわけです。
さらにこの葉っぱは、触ってみるとベルベットのような感触がありまして、英語では「Velvet Cardboard Anthurium」という別名もあるそうです。
ベルベットのダンボールって何? アクセサリーの箱に使う、ベルベット生地が貼ってあるボール紙のことらしいです。なるほど・・・。
たぶん微小な毛が生えているんだと思います。角度を変えるとシルバーっぽく見えます。
熱帯雨林で植物が個性を競いあった結果、こうなったのでしょうか。なぜ花も派手にしようと思わなかったのでしょうか。だいたい葉っぱが個性的だと花は地味ですね。自然はバランスを知っているんですね。地味すぎるんで花の写真がない・・・。
クラリネルビウムの植え替え
買ったときのまま植え替えてなかったので、重い腰を上げて植え替えました。初夏の植え替え祭り開催!
ビニールポットのままテラコッタの鉢に入れていたのですが、もう根が底から出ています。たくましいです。ランの根を太くしたような感じです。
下の葉が枯れるとだんだん上にあがってきてしまうので、気持ち深めに植えたいのですが、けっこう高さがあります・・・。
この根の量ですので、できるだけ大きい土に植えたほうがいいと思います。成長に合わせて、順次大きい鉢に植え替えましょう。
今回は18センチの鉢に植えました。モノタロウで買ったけどAmazonでも売ってる。安くてしっかりしてます。
根をほぐしたら新しい鉢に入らなくなってしまいました。ひとまわり大きい鉢のはずなのに、なぜだ・・・。古い根鉢が見えます。ほぐさないのが正解だったのか・・・。
白いのはパーライトと軽石です。カイガラムシではないです。
土はいつものこれを足しました。水抜けよく、ほどほどの保水性もありって感じの土がいいと思います。
完成。テラコッタもよかったけど、これはこれでよろしおす。
葉っぱがあっちこっちを向いてたので、改めて支柱に紐でしばりました。1本後ろに隠れているので、団子三兄弟みたいになりました。
できるだけ明るい場所で育てる
アンスリウム・クラリネルビウムは、できるだけ明るい場所に置いてあげてください。直射日光は葉が焼けてしまうかもしれないので、避けたほうがいいと思います。外に出す場合は焼かないように注意しましょう。
うちの場合、真南の部屋なので、成長期の真夏には室内に日差しがあまり入りません。暗いわけではないのですが、クラリネルビウム的には明るさが足りないらしく、窓に向かってぐいーんと葉っぱや花の茎が伸びてしまいます。
あと、ついつい鑑賞するために室内側に鉢を向けてしまうのですが、そうすると葉っぱがあっちこっち向いてしまいます。できるだけ一定方向から光が当たるようにしたほうが、葉の向きが揃います。
うちのみたいにアンスリウム・ろくろっ首ウムにならないように・・・。うちに来たときはこうじゃなくて、もっと下のほうに葉っぱがあったのです。
去年はとくにあまり日の当たらない場所に置いていたのでこうなってしまいました。
これたぶん買った頃に見て描いたんですけど、こんな感じだったのです。たぶんハウスみたいな明るい場所にあったんでしょう。
寒さにはちょっと弱い
暖かい地方の植物なので、うちでは夏しか成長しません。安定的に20度を超えてくる5月初旬頃から初秋までに、根元から葉が2、3枚出ます。暖かい地方の場合はもっと成長期間が長いかもしれません。
ですので、冬もできるだけ暖かく明るい場所で育てましょう。そのほうが葉っぱの枚数をキープできると思います。
わたしはあまり暖房を使わないので、冬の室温は16〜18度くらいです。夜や留守中はもっと低いです。それでも枯れないですが、古い葉が黄色くなって落ちることがあります。
水のやりすぎ、根腐れに注意する
根を見てもわかるように、非常に保水力の高い植物です。
一方、水をたっぷりあげると、余分な水が葉っぱから出てきます。つまり水分を一定に保とうとする仕組みがあるわけです(保水力があり、多過ぎれば排出する)。
ですから、水やりが頻回過ぎて、土が常に湿っている状態だと根腐れしやすいと思います。立派な根の中にも葉っぱにも水分を蓄えているので、土の表面が乾いてきたら水をあげれば大丈夫です。室内で育てる場合、鉢が大きいとそんなにすぐには乾かないです。
おわりに
5月は観葉植物の植え替えにちょうどいい時期ですね。
買ったまま植え替えていないのがずっと気になっていたのですが、やっと重い腰を上げて植え替えできたので、もう少し葉の枚数が増えるといいなと思います。
ではまた〜。