ラン

庭に植えっぱなしにできる日本原産の丈夫なラン。シランの育て方、の巻

シラン

初夏に咲くシラン。もしかすると日本で一番よく見かけるランかもしれません。地生ランなので地植えでき、和風の庭にも洋風の庭にも合います。育て方のポイントを解説します。

シラン(紫蘭)

シラン(学名Bletilla striata)はラン科シラン属の日本および中国原産の地生ランです。地生ランとは地面に生えるランという意味です。木に着生する着生ランと違い、地植えで栽培できます。

野生では個体数が減少しているため、環境省レッドリストの準絶滅危惧種に指定されています。

5月頃に紫色の花を咲かせます。白花のタイプもあります。

シラン

数十年前から実家にあるので、咲いていてもふだんはあまり気にもとめないのですが、今年はみずみずしくてきれいな花が咲きました。冬が暖かく4月が少し寒かったせいかなと思います。

うちにある植物は人からもらったものが多く、これももらったものらしいです。

 

育て方のポイント

自生しているのは「日当たりのよい湿地」だそうです。一方、タキイ種苗のページには、適地は半日陰とあります。

適地は半日陰で、適度な湿り気のある場所ですが、バルブは水を蓄えているので、乾燥にも耐えられます。タキイ種苗:栽培基礎講座より

日向なのか半日陰なのか。湿地なのか乾燥もOKなのか。

まあ、わりとどこでも大丈夫ですよ、ということかなと思いますが、うちの場合だと、よく日が当たる乾燥しやすい場所にあるものは、あまり増えないでポツンと1本だけな感じです。

シラン

ここは日向ですが、太陽が傾くと少し日陰になります。ユキノシタが生えていることからもわかるように、土が適度に湿っていてひんやりしたところのほうが好きなのではないかと思います。

シラン

ここも壁ぎわの草むらに生えています。数十年前に植えたものが、好きな場所で生き残っているという感じです。

ターシャ・チューダーさんが、新しく植える植物は3ヶ所に植えてみて、植物に好きな場所を選ばせる、みたいなことを言っていた記憶があります。なるほどなあと思いました。こちらがここでいいと思っても植物がイヤならそれまでですからね(笑)。

場所さえ気に入れば、地植えなので水やりもほぼ降雨のみで、とくに何もしなくても毎年咲いてくれます。

ただ、うちのシランは何も世話をしていないせいか「群生」というほど多くないです。耐寒性はありますが、自生地が「関東地方以西」だそうなので、冬がちょっと寒いのでしょうか(夏も暑いけど)。

白い花のタイプもありますが、紫の普通のタイプのほうが丈夫だと思います。白い花は、バラもそうですが、灰色カビ病による斑点が出やすいです。

 

おわりに

この時期、みずみずしい若葉の間から顔を出す姿がきれいですね。

よく見るお花ですが、考えてみるとランなのにお庭に地植えできるって貴重です。ほとんど世話のいらない植物ですが、ちゃんとランの花なので、一輪挿しにしても存在感があります。ぜひ植えてみてください。

ではまた。

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