あともう少しで咲きそうなバラのつぼみがカリカリになって枯れてしまうことはありませんか。それは、あの黒くてちっこい奴らのしわざかもしれません。奴らがウッキウキでバラのつぼみをチューチューする季節がやってきました。
バラゾウムシ(クロケシツブチョッキリ)
バラゾウムシという名前が一般的ですが、「クロケシツブチョッキリ」とも呼ばれます。
つまりこういうことでしょうか。「黒」い「芥子粒」のような虫が、バラのつぼみを「チョッキリ」・・・。
なるほど。
こちらに大きなお尻を向けてチューチューとバラのエキスを吸っているクロケシツブチョッキリ氏。とくに晴れた日によく出てくるような気がします。
成虫は4月中旬頃から見られるようになり、5月中旬頃までが最も被害の出る時期です。
こちらには仲良く2匹。やめろ〜。チョッキリするな〜。
せっかく今年は冬にがんばって剪定して、つぼみをたくさんつけてるのに、なんということでしょう。
産卵された新芽はカリカリになって枯れます。全国のバラ愛好家の心もカリカリさせる憎いやつです。
でもけっこうかわいい。
バラゾウムシの駆除
バラゾウムシの成虫の駆除方法としていちばん手っ取り早いのは「捕殺」です。
ただ小さくてポロっと落ちるとどこに行ったのかわからなくなりやすいので、下に何か受けるものを用意して、落ちてもキャッチできるようにするといいです。
このときは庭で使っているステンレスの容器をつかいました。バラゾウムシをキャッチ。この虫は死んだふりをするので気をつけてください。捕まえた後は、煮るなり焼くなり、お好きにどうぞ。
死んだふり状態から復活し、脱走を試みるゾウムシくん。
逃がすか〜。
食害されたばかりのつぼみ。クタッとなっています。これが食害のサインです。
この後、カリカリに干からびてしまい、花は咲きません。卵を産み付けているので、放置せずに袋に入れてゴミに出しましょう。
有効な薬剤
有効な薬剤としては、一応こちらがパッケージに「バラゾウムシ」とでかでかと書いてあります。
ただ、持続性は1〜2週間だそうです。一番被害のあるのは4月半ばから5月半ばくらいまでなので、2回使えばだいぶ防げるかもしれませんね。
でも、わたしはあまり薬が好きではないので、できるだけ使用は控えています。とくに液体の薬は吸い込む気がするので好きではないです。オルトランGX粒剤は、バラや多肉にはときどき使用します。
オルトランGX粒剤もバラゾウムシの「発生初期」には効くと書いてあります。浸透移行性があるので、孵化した幼虫には多少効くでしょう。
ただしバラゾウムシは飛来する虫なので、完全に防げるわけではありません。実際にうちもオルトランはたまにまいていますが、春になるとバラゾウムシは出ますからね。
やはり手軽で確実な駆除方法は捕殺。上の写真を見るとわかるように、バラゾウムシの好むのは新芽やまだ若いつぼみです。つぼみが出てくる頃によく気をつけていれば、かなり捕殺できます。
またあまり薬を使いたくない場合や捕殺もできない場合は、丈夫で花数の多い品種を選ぶといいです。とくに秋バラも楽しめるものがいいと思います。
これはマチルダです。こんなにつぼみがあるので、バラゾウムシにやられてもショックが小さいです。このように花がたくさんつくタイプのバラをフロリバンダ系といいます。
マチルダについては下記の記事にまとめているので、よかったら品種選びの参考にしてください。
おわりに
ガーデニングでバラほど虫や病気に悩まされる植物ってない気がします。だからホームセンターに行くとバラに対応することをうたった薬が多いです。それもあって、わたしは数年前までバラにそこまで興味がありませんでした。
バラゾウムシの捕殺を楽しめるようになると、バラ栽培の上級者でしょうか・・・。
いや、無理ですよね、そんな(笑)。
食害しなければかわいい虫なんですけどね。
バラゾウムシもバラを吸わずば撃たれまい。
ではまた。
杏奈(フロリバンダ系)。ほしい。