メタリック感のあるシルバーグリーンの葉っぱがきれいなフィロデンドロン・シルバーメタル。意外と暴れるこいつをどう仕立てたらいいのでしょうか。育て方のポイントを解説します。
フィロデンドロン・シルバーメタル
シルバーメタルは、南米の熱帯域に分布するサトイモ科のフィロデンドロン属の植物です。
気根を出して、樹木の表面に根を張って上に伸びていく蔓性の植物です(なので、何もしないとけっこう暴れます)。
フィロデンドロンのなかでもこのシルバーメタルのユニークなところは、葉っぱにメタリック感があることです。
これは、数年前に売れ残りのボロボロの状態で購入しました。下葉が落ちて、ボロボロとしか表現しようのない状態でした。
ちょっと遠くの園芸店に行ったので、何か買って帰りたかったのです。ちょっと珍しい植物がボロボロになっていると、なぜか買いたくなります。
いまも近所のスーパーで、ちょっと珍しいカラテア(クテナンテかな)がボロボロになりかけています。
気になります。誰か買ってください。これ以上ボロボロになると、わたしが買いたくなってしまいます。580円です。
そんなわけであまり期待されてこなかったシルバーメタル。暴れやすいので捨てようかな、と思ったこともないといえば嘘になります。
そんなシルバーメタルですが、そんなわたしの気持ちを察してか・・・。
おや・・・、最近ちょっとかっこよくなってきた? あんなに不細工だったのに。何があったの?
シルバーメタルの仕立て方
増やしやすいので挿し木苗の小さいものがよく売っていますが、そのままにしていると伸びて倒れてきます。
最初、吊り鉢で育てようとしたのですが、茎を下に垂らすと水の吸い上げが悪いのか下葉が枯れやすく、汚くなってしまいました。
そこで、このように支柱を立てて、茎を上に伸ばすようにしたら、下葉があまり枯れなくなりました。
モスポールなど根が張れるものならさらにいいと思いますが、支柱で上に伸ばすだけでも調子が良くなります。
同じ蔓性植物のポトスと見た目は似ているのですが、ポトスよりも吊るされるのに弱いです。
本来、他の木の肌を上に伸びていく植物なので、上に伸ばしてやったほうが育ちやすいと思います。
そもそもフィロデンドロンという名前は、ギリシャ語で「木(dendron)が好き(philo-)」という意味なんだそうです。木にくっついているとご機嫌だから、そういう名前をつけたんでしょうね。
放っておけばどんどん上に伸びていきますが、あまり大きくしたくないので、支柱と同じくらいの高さで切っています。切った部分は捨てずに挿し木するとボリュームアップできます。
適した鉢と土
シルバーメタルはテラコッタなどよりもプラスチックの鉢のほうが適していると思います。
テラコッタの鉢に植えていたときは、土が乾くのが早すぎたようで、下葉が枯れてきました。
現在は、プラスチックのスリットのある鉢に植えて、鉢カバーがわりの鉢に入れています。
土は、水はけのよい観葉植物用の土が適しています。わたしはこの土にパーライトを少し混ぜて使用しています。
シルバーメタルは、水がすばやく抜けて、土が適度に均一に保水された状態を好みます。茎が太く、水分が多いので、水を頻繁には欲しがりません。つねに土の水分が過剰だと根腐れします。
どんなブランドのものでもいいですが、排水性のいい土を使用し、土の表面数センチが乾いてから水をあげてください。
逆に、水をあげているのに下の葉が枯れるようなときは、上に述べたように、何か水を吸い上げられない原因があると思います。
多肉ではないですが、かなり水分が多い植物なので、過剰な水やりによる根腐れに注意しましょう。
根が黒くなって腐ってきている場合は、排水性のよい鉢・土に植え替えて、乾いたのをよく確認してから水をあげるようにしてください。
置き場所
シルバーメタルは、直射日光の当たらない明るい場所が適しています。耐陰性はありますが、できるだけ明るい場所のほうが大きな葉っぱが出ます。
うちは真南でベランダがあるので、ちょっとリビングが暗いのですが、いまは窓から50センチくらいのところに置いています。なので、ちょっと葉っぱが小さいかもしれないです。
葉っぱが波打つ
シルバーメタルは、ときどき葉っぱが波打ってしまうことがあります。
ちょっとよく撮れていませんが、このように前の葉っぱの葉柄の部分から、分身の術みたいに葉っぱが出てきます。
気温が低いときや鉢を移動したとき、あるいは水が足りないときなどに、この部分から葉っぱがスムーズに出てこれないと波打ってしまうようです。これは病気ではないので気にしなくて大丈夫です。
また、たまに下葉が黄色くなって枯れますが、古くなって枯れた場合や、水が足りなくて枯れた場合は心配ありません。
シルバーメタルの挿し木の方法
シルバーメタルは挿し木で簡単に増やすことができます。節からすでに気根が出ていますから、この下で切って挿します。
上の写真で指で示したのが気根です。ここから根が伸びて、木の幹に根をはります。地面につけば、地面に根を下ろします。この節の下で切って、そのまま水はけのよい土に深く挿しましょう。
水をよくやる時期であれば、同じ鉢の空いているスペースに挿しておくだけでも発根します。
水分が多い茎なので、土の水分が少なくなってもそう簡単に枯れません。親木と同じくらいのペースで、土が乾いたら水をあげてください。
発根まで少し時間がかかる印象があるので、引っこ抜かずに気長に待ちましょう。
下のほうに生えている小さいのは、挿しておいた挿し木が発根して伸びたものです。こうすると足もとにボリュームが出ます。
これは今年挿し木した鉢です。かなり短かったのですが、新しい芽が出て、成長しています。
このように、切ったところからはまた新芽が出てさらに伸びます。
冬は気温が低く成長が遅いので、春から秋にかけてが適期です。最適なのは5月頃です。
おわりに
わたしは支柱を使ってみましたが、明るい場所であれば、壁沿いに上に伸ばすとか、ほかにもいろいろ工夫できますね。
葉っぱが白っぽいからあまり写真写りがよくないのですが、大きくなってくると意外といい感じですよ。見つけたら買ってみてください。
ではまた〜。