ガーデニング

セイヨウオダマキの育て方。こぼれ種でも増えやすく多年草なので毎年咲きます

西洋オダマキ

繊細な花を咲かせるわりには、意外に丈夫で育てやすいセイヨウオダマキ。種がたくさんできるので、こぼれ種でも増えやすいです。とくに美しい八重咲きのタイプがオススメ。種まきや育て方のポイントを解説します。

セイヨウオダマキ

オダマキはキンポウゲ科の属の1つで、北半球に約70種が存在します。

セイヨウオダマキ(西洋オダマキ)は、欧州や北米原産のオダマキおよびその交配種を指し、多様な園芸品種が存在します。ミヤマオダマキなど日本原産の高山性のオダマキよりも育てやすくて丈夫です。

西洋オダマキ

これは前にうちにあったノラ・バローという品種です。欧州原産のAquilegia vulgarisの変種です。

チャールズ・ダーウィンの孫娘で植物学者であったノラ・バーロウ(Nora Barlow)にちなんで名付けられました。

何年かは咲いていたと思いますが、消えてしまいました。1株ではなく数株あると維持しやすいと思うので、種をとって増やしておくといいでしょうね。

いまはこのピンクのタイプがたくさんあります。たしかピンクバローという名前だったと思うのですが、バローシリーズとは咲き方が違うので、他の品種が混じっていると思います。

写真をよく見るとうちに来てから先祖返りしたのか、花弁が二重のものと一重のものがあるように見えますね。あまり気にしてなかったので、今気づきましたけど。

このピンクバロー(?)は、だいぶ前にヤフオクで種を購入し、種から育てました。種からだと時間がかかりますが、苗を買うより圧倒的にお得です。ただ個人から購入すると、ほかの品種と交雑している可能性はあります。

オダマキは交雑しやすく、種をまいても同じ花が咲かないことがあります。色が混じったり、先祖返りしたりします。

西洋オダマキ

紫のバロー系オダマキ。植えたのかなあ。記憶にありません。

ブラックバローというもっと黒いのは植えた気がするけど、なくなりました。ブラックバローと他のが混ざったのかもしれないです。それともこれがブラックなの?

西洋オダマキ

これはイギリスのパーラムハウスに植えられていたバローシリーズっぽいオダマキ。

昔から日本でも種がホームセンターなどでも売っているセイヨウオダマキは、一重で星のような花の形をしています。

オダマキ

こんな形状のですね。

この黄色いのは名無しだったので品種名はわからないのですが、透き通った黄色がとてもきれいです。ピンクのに比べると背が低く、葉が繊細で、花つきも少ないです。苗で購入しました。

北米原産のAquilegia chrysanthaは、ちょうどこんな黄色い花です。

チェルシーフラワーショーでも似たようなのが展示してありました。でもうちのよりも茎が長いかな。

このようにセイヨウオダマキには、さまざまな色や形の品種があります。

 

長い角の秘密

オダマキは、距(きょ)がとくに長いのが特徴です。後ろに伸びている角のような部分です。

オダマキ

オダマキは蜜蜂が好む花で、この長い距の中に蜜腺があります。蜜蜂は距の中にある蜜を求めてどんどん奥に入り、花粉まみれになります。

オダマキの距は、蜜蜂に花粉を運んでもらうために、後ろに長くなっていったのです。

 

セイヨウオダマキの種まき

オダマキは一般的に春に種をまきますが、その年には咲かず、開花は順調に行っても翌年になります。ある程度の大きさに育ち、寒さにあたらないと花芽ができないためです。

発芽適温は20度です。5月頃に開花して、6、7月に種ができます。それをそのまま庭にまくだけでも忘れた頃に芽が出ますが、確実に発芽させたければ、種を保存して春にまくのがいいと思います。

オダマキ

種はゴマぐらいの大きさです。発芽に光が必要な好光性種子なので、土を分厚くかけてしまうと発芽しません。

よく湿らせた土に種を置き、ごく薄く土をかけ、明るい日陰で発芽を待ちます。発芽に日数がかかるので、発芽まで乾かさないように、土が乾いてきたら霧吹きなどで湿らせます。

わたしは春に浅鉢に種をまき、発芽して本葉が数枚になったらポットあげして育苗し、秋にある程度大きくなったところで庭に定植しました。

 

こぼれ種でよく増える

いまはたくさん種ができるので、種ができたころに花茎を切って、そのまま庭にバラまいています。さやの上部が開いているので、逆さにしてシャカシャカ降ると、種が出てきます。

そんな適当な感じでも、いつの間にかあちこちに増えます。好光性種子で土をかけなくてもいいからですかね。ニゲラとかもそうですね。

このまま放っておいても、さやが開いて種がこぼれます。種が未熟だと発芽しませんから、さやがしっかり乾燥して、上が開いてくるまで待ちましょう。

オダマキ

こぼれ種から発芽した、まだ小さいオダマキです。とくに何も世話をしていませんが、大きくなれば咲きます。

オダマキは冬に外側の古い葉が枯れ、中心から新しい葉が出てきます。寒さには強いので、鉢上げの必要はありません。外側の枯れた葉は冬の間に切っておくときれいです。

多年草ですが、年数が経つと老化で枯れるそうなので、いま咲いているのはすべてこぼれ種から育ったものだと思います。更新しないとなくなってしまう可能性があるので、種ができたらとっておくといいですね。

オダマキ

山椒の鉢植えに勝手に生えたオダマキ。山椒がかわいそうなので抜きました。

オダマキ

通路わきに生えてきたオダマキ。そこはムスカリの球根があるはずなのだが、そこでいいのかね。好きにしなさい。

基本的には日当たりのよい場所で育てます。日光は好きですが、高温はあまり好きではないと思います。

黄色いのは少し弱そうなので、夏に少し涼しくなるように枝垂れ桜の東側根元に植えています。

 

おわりに

種まきから咲くまでが長いので種まきから育てるのは少し面倒ですが、いったん咲けば種がたくさんでき、こぼれ種でも増えます。そんなに手をかけられないけど、庭のあちこちに咲く花が欲しいという人にオススメです。ただ増えやすさは品種によって違うと思います。

こういう昔から種を売っているセイヨウオダマキ(マッカナジャイアント)のほうが、バロー系よりも丈夫なのかなと思います。

バロー系は暑さに弱いかもね。欧州原産の変種だから。でもバロー系のがすてきかもね。

うちにあったノラバローはたしかコメリで買ったと思いますが、楽天市場ならばおぎはら植物園が充実しています。

いまは咲いている時期なので売り切れですが、秋になったら探してみてください。

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