真っ赤のふちどりのような紅葉がきれいなセデベリア・レティジア。丈夫で育てやすく増やすのも容易なので、おすすめの多肉です。季節による変化と育て方のポイントを解説します。
目次
セデベリア属レティジア
「レティジア」(Sedeveria Letizia)はセデベリア属に属します。セデベリアは、エケベリアとセダムの属間交配種です。属間交配種とは異なる属の植物をかけあわせてできたものをいいます。
交配式はworld of succulents という多肉植物のデータベースによると、Sedum cuspidatum and Echeveria setosa var. ciliataです。
前者は日本では「コスミダトム」という名前で流通しているセダムのようです。コスミダトム? え、ミはどっからきたの? 小墨田トムさん?
クスピダータムかクスピデータムのほうがいいんじゃないかな? あるいはカスピダータムかな。
cuspidatumというのはラテン語で「先端が尖っている」という意味だそうです。
後者のEcheveria setosa var. ciliataは「王妃錦司晃(おうひきんしこう)」という園芸名で流通しているエケベリアです。エケベリア・セトーサは毛が生えているので、レティジアもよく見ると少し毛が生えています。
鉢の奥のヒヤシンスの手前にいます。手前はマーガレット・レッピン、虹の玉、紅稚児です。
冬に入るとだんだん赤が濃くなっていき、3月がこのくらいの赤さです。4月以降に気温が上がってくると紅葉が冷めてきます。夏はほぼ緑になります。
レディジア? レティジア?
ちなみにレティジアのほうも、レディジアとかレディシアとか微妙に違う呼び方を見かけます。レディジアが多いですね。わたしが買ったときも「レディジア」と書いてありました。
Letiziaはラテン語圏の女の人の名前です。スペイン王妃のレティシア王妃と同じですね。先月、即位の礼のために来日されていました。
ただ、誰にちなんだものかはわかりません。もともとはイタリア語圏の女性名なので、仮にイタリア人だった場合には、レティツィアになります。ナポレオンのお母さんのマリア・レティツィア・ボナパルトとか。
ティにアクセントをつけてレティツィアと呼んでちょうだい。
英語読みするとレティジアが近いですかね。上の話はなかったことにしまして、レティジアで行こうと思います。なんかまた無駄なこと書いてしまった・・・(笑)。
1本の挿し木から
レティジアはわたしが初めて購入した多肉植物のカット苗に入っていました。2014年ですから、今から5年前ですね。
右下にあります。札に「レディジア」と書いています。このカット苗のメンバーは一部を除き、わりと今でも生き残っています。カット苗ですから丈夫な品種ばかりだったんですね。当時はわかりませんでしたけど。夏に購入したので、このときは緑色でした。
上に伸びるのがやや欠点
その後、小さな鉢に移し替え、スクスクと育ったのはいいものの、レティジアの欠点は上に伸びやすいことです。徒長ではなく、上に茎が伸びて下葉が落ちていく性質があるからです。
徒長は、葉と葉の間隔が間延びすることを言います。室内で育てると多肉植物は徒長しやすいです。レティジアがびよーんと伸びるのは、わりと仕様です。20センチくらいに伸びます。
写真ではボケていますが、株元に芽吹いて子株ができます。これも伸ばせば群生株になります。ただバランスが悪いので、一番上の大きいのを切って、寄せ植えに入れました。
左上のほうにいますね。12月なので紅葉してきました。赤が濃いので、わりと存在感があります。緑と赤でクリスマスカラーです。
はっ、もうすぐ12月! 早すぎる・・・。
寒さにもわりと耐える
上記の多肉データベースでは、レティジアの耐寒性ゾーンは9aから11に分類されています。これは7.2度から零下6度までのゾーンです。
ただ零下6度が毎日だとどうでしょうね。参考までにって感じですね。氷点下になる場合には凍結に気をつけ、雪や霜があたらないように屋根の下などに置きましょう。
北関東にある実家では、屋外のひさしの下で越冬しています。
紅葉させたければできるだけ屋外で
暖かい地方では、徒長しやすいので屋内に入れないほうがいいと思います。紅葉が楽しめなくなるからです。
前に書きましたが、紅葉には軽度のストレスが必要です。詳しくは下記の記事にまとめてあります。
屋外で寒いのを我慢させると、3月頃に真っ赤なきれいな状態になります。ただ凍ったりするとよくありませんから、あまり無理させないようにしましょう。急な雪や霜に気をつけてください。
増やし方
挿し木や葉挿しで増やせます。子株ができやすいので、それをカットして土に挿すのが一番簡単です。
上の鉢のレティジアが、昨年は虫に食べられてしまいました。なんの虫でしょうか。けっこうがっつり食べてますね。
茎もだいぶ伸びてしまったので、4月下旬にまたこれをカットしました。
プランターに挿しました。4月頃の生育旺盛な頃ならば、すぐに根が出るので失敗がないです。
といっても、レティジアは本当に腐ったりしたことが一度もありません。丈夫です。しかも増えやすいから安いです。ホームセンターでもたまにみかけます。
残った茎からも芽吹く
残った茎のほうもそのままにしておきます。
茎をカットするときは、少し葉っぱを残すほうがベターなんじゃないかと思います。葉っぱがまったくないと光合成ができないので、芽が出るのが遅いと茎が枯れてしまうのではないかと思うからです。もちろん茎だけでも出るときは出ます。
5月上旬。カットしてから10日後くらいです。芽がたくさん出てきました。
6月、紅葉が完全にさめ、さらに子株が大きくなりました。これもある程度の大きさになったら茎から外して挿し木できます。
夏の西日に少し注意
セダムの血が入っているので、わりと適当に栽培してもトラブルはほとんどないと思います。自分の経験では、いきなり腐ったりすることもないです。
レティジアのように茎が伸びるタイプは、夏の強い日差しで茎が焼けてしまうことがあるので、夏の日差しに少し注意しましょう。とくに西日が注意です。
おわりに
美しいエケベリアのフォルムとセダムの丈夫さを持つ、ハイブリッドなセデベリア「レティジア」。美しいレティシア王妃にちなんで名付けられました、というのは嘘ですけど、とくにバラとかは品種の名前って大事じゃないですか。多肉も名前がかわいいほうが人気がありますよね。
季節の変化で目を楽しませてくれる多肉です。赤くなるととてもきれいなので、ぜひ育ててみてください。
ではまた。