洋ラン初心者にも咲かせやすいミニ胡蝶蘭。ミニ胡蝶蘭の植え替えプロセスを写真で詳しく解説します。
ミニ胡蝶蘭の植え替え
今年東京ドームのラン展で購入したミニ胡蝶蘭。先端に膨らんでいない花芽がついていて、咲いていた花が終わったので切ったら、そこからその花芽が伸び出し、二番花が咲きました。
二番花も立派。500円で購入したのですが、だいぶ楽しませてくれました。ビニールポットのままマグカップに入れて飾っていたので、新しい水苔で鉢に植え替えます。
この記事は、「ミニ胡蝶蘭の育て方」の補足記事なので、よかったらそちらもご覧ください。途中までふざけて書いている駄文ですが・・・。
ではミニ胡蝶蘭の植え替えミッション、スタート!
茎を切る
花が咲いていたら、根元から茎を切ります。
ハサミは、セオリー的には、ウイルス予防のために消毒したほうがいいです。しかしこの100円ショップで買ったハサミではランを切ったことがないので、ウイルスはありません。胡蝶蘭の茎はさほど硬くないので普通のハサミでも切れます。
使い古しの園芸バサミとか、たくさんランを育てている場合は、きちんと消毒してください。
切った花は飾ってまだまだ楽しめます。胡蝶蘭はとても花が長持ちします。じつはこの茎から株を増やすことが可能らしくて、できたらあとでやってみたいと思います。
水苔を水で戻す
水苔を水で戻し、ぎゅっと絞って、ふわっとほぐします。
先日レリオカトレア・サンタバーバラサンセット「ショータイム」を植え替えたときの記事で、水苔の戻し方について写真付きで解説しているので、ここでは割愛します。ただ水で戻すだけですが、詳しくは下記記事をご覧ください。
古い水苔を取り除く
水苔に水を吸わせている間に、古い水苔を取り除きます。
素焼き鉢の場合には鉢に根がくっついているので、細いピンセットや竹串などを水苔と鉢の間に入れて一周し、外れやすくしてから、下の穴からぐっと押すと取れやすいです。
ビニールポットは容易に取れます。胡蝶蘭を引っ張らないで、ビニールをハサミで切ったほうがいいです。
ミニ胡蝶蘭は根が太いので、水苔を取り除くのは難しくありません。デンドロは細い根がいっぱいあるので、非常に大変です。
乾いていると水苔が取れにくい場合には、水で流しながらやると取れやすいです。
古い根を整理する
古くなった根を切って、健康な根を残します。胡蝶蘭の根は、ダメになっている根は干からびたりスカスカになっているので、わかりやすいです。
緑色の根や白くてしっかりしている根は、健康な根です。
花を長く咲かせていると新根が伸びないので、早めに花を切ったほうがいいです。冬で気温が低いと、いずれにしても成長しませんが。
(参考)何年も植え替えていないミニ胡蝶蘭
一緒に植え替えた、もう一つのミニ胡蝶蘭の写真です。これはいつ植え替えたのかなあ・・・。
植え替えて数年経過すると、胡蝶蘭はこのように上に上がってきてしまい、根が鉢に入って行きにくくなります。これでも咲くのですが、水が足りないようで、葉っぱに少しシワが出てきました。
また去年は1枚しか葉っぱが出なかったのですが、その葉っぱが立ってしまいました。引っ越したので環境が変わったせいのようです。日光が強すぎるとこうなるらしいです。
根はたくさんありますが、古い部分は枯れています。ここでいつも疑問なのが、中心の茎の部分は切っていいんですかね。
根だけ切るとこの中心のが残るんですよね。バキッと切るのが怖いので前は残していたのですが、枯れているところまで切っちゃいます。健康な根が出ているところまで切らないように。切り口を見ると、完全に枯れているので大丈夫でしょう。
(追記)大丈夫でした。新しい根と葉っぱが出てきて、古い葉のシワもとれました。
新しい水苔で鉢に植える
手順解説に戻ります。鉢の大きさは、ミニ胡蝶蘭ならば3号鉢前後です。3号鉢が大きいなら2.5号鉢、小さいなら3.5号鉢にします。4号鉢だと大きすぎて水苔が乾きにくいと思います。
これも3号鉢が良さそうです。鉢に入れてみて隙間ができないものが適切なサイズです。
水苔で植える前に、鉢底に園芸用のネットを敷きます。虫の侵入を防ぐためです。胡蝶蘭は外に出さないので虫の心配はないのですが、わたしはいちおう敷いています。
水苔を片手でぎゅっと団子状に丸めます。少し固めに丸めます。それを胡蝶蘭の茎の下に入れます。
次に、その周りを水苔で包んで、鉢の直径よりも大きい苔玉にします。小さいと水苔がゆるゆるになってしまうので、少し大きめにします。
これをぎゅっと鉢に入れます。外側の水苔はふわふわなので、ぎゅっと詰めれば入ります。
根を折らないように、水苔の端のほうを押し込み、中心を上からぎゅうぎゅう押さないようにします。
中心部を少し高くするのがコツです。外側をぎゅっと押し込めば、自然とそうなります。底のほうは少し空洞ができるくらいにするのが上手な植え方です。
出来上がりです。水苔の硬さは、「親指の付け根の盛り上がっているところ」くらいのプニプニ感がいいそうです。「固く絞ったおしぼり」とも言いますね。要するに水気をよく絞って、多めにまいて鉢に入れればそうなります。
とくに団子に丸めた部分は、いちばん乾きにくく根腐れしやすいので、固めにしたほうがいいと思います。
これで完成ですが、水はあげません。水苔が湿っていますし、根を切ったので雑菌が入りやすいからです。水やりの開始が早いと根を傷めます。
とくに外に出ていた緑の根を水苔でまいた場合は、根にとってはかなり環境が変わることなので、多湿にしないほうがいいです。
2週間程度を目安に、水苔の乾き具合を確認して水やりを開始します。表面が乾いてきても中は湿っています。とくに胡蝶蘭は室内で育てている人が多いでしょうから、ほかのランよりも乾きにくいです。
根を切った影響で、一番下の古い葉っぱが黄色くなってくることがあるかもしれませんが、完全に枯れるまで取らないようにします。葉の中の水分を使い尽くしたら、カラカラになって自然にポロっと取れます。
おわりに
「ミニ胡蝶蘭の育て方」記事の補足情報として、植え替えドキュメントをお送りしました。
水苔はこれを使用。超圧縮タイプなので、だいぶ量があります。
「ミニ胡蝶蘭の植え替えは簡単!」なんてタイトルにしてますが、ランは、パンジーとか土で植えられるものに比べると簡単じゃないんです。ええ・・・。
でもわたし、先日大きいデンドロを植え替えて、「ミニ胡蝶蘭は楽だなあ」とつくづく思いましたよ。ランの中では楽だと思います。水苔を取るのがね。
室内で観葉植物と一緒に長く飾れるし、いいですよ。ミニ胡蝶蘭。
ではまた。