ビオラの苗を買ってきたら、植えつけるときに切り戻し(摘芯)をする必要があるのかどうなのか。今日はビオラの切り戻し問題を考察してみます。
ビオラの切り戻し
うちでは昨年までずっと買ってきたビオラの苗はそのまま植えていました。春になればたくさん咲いていたので、植え付け時に切り戻すという発想がありませんでした。
ところが去年、家族が買ってきて植え付けたばかりのビオラをすぐにチョキチョキと切り戻ししてしまいました。枝分かれしてこんもり咲くので、植え付け時に切り戻したほうがいいと聞いたそうです。
ビオラ・チョキチョキ事件の現場写真
しかし昨年は、その後急激に気温が下がってしまい、10月に切り戻ししたビオラが再びつぼみをつけたのは、12月に入ってからでした。
12月のビオラです。つぼみがやっとつきました。
春になったら、たしかに例年よりも株が大きく、花付きが多くなりました。ただ、秋に全然咲かないのはちょっと残念でした。
まず切り戻し後の経過をお見せして、その後、注意点や必要性について考察してみます。
冬のビオラ
2月中旬、チューリップの芽が出る頃の様子です。この段階だと、切り戻さない場合との違いは、見た感じそれほどありません。
よくビオラの説明に「晩秋から春にかけて長く花を咲かせる」と書いてあったりしますが、うちでは冬の間は咲いてもこの程度です。
最も寒い時期の朝方は、葉が凍結します。耐寒性はあるので問題ありませんが、茎が伸びません。花を守るためか、葉っぱに埋もれたまま咲きます。
3月中旬です。だんだん大きくなってきました。この花壇は冬はほとんど水やりはしていません。濡れているのは、雨が降ったか霜がとけたかだと思います。
このように北関東では、10月に切ってしまうとそのまま寒い冬に突入し、冬の間はモリモリとは咲きません。
【2020年11月追記:今年の冬は異常に暖かいので例年よりも咲いています】
気温が上がると急激に成長
4月になると急激に成長し、かなりボリュームたっぷりになりました。植え付け時に切り戻した結果、たしかに花数が多くなっています。
ただ、暑い日が多かったせいか中心が蒸れて黄色くなり、穴があいてしまいました。枝数が多い分、風通しが悪いかもしれません。
それで4月11日に一部を切り戻しました。その後の経過は下記の記事に書いてあります。
切り戻ししないとこんもり咲かないの?
切り戻ししないとこんもり咲かないわけではなく、市販の苗を適切に育てれば、春にはこんもりと咲くはずです。
切り戻しをすると「こんもり」が「スーパーこんもり(笑)」になる感じでしょうか。品種にもよりますが。
逆に言えば、切り戻しをしても日当たりの悪い場所や水はけの悪い土に植えれば、こんもりと咲かないはずです。
購入後に切り戻ししていないビオラです。こんもりと咲いています。また、花のつき方には品種の差もあると思います。また生産農家のほうで摘心はしているんじゃないんでしょうか。生産農家じゃないのでわかりませんけど。
これはちょっと徒長していますね。これはわたしが種から育てたんだと思います。まったく摘心していないかもしれないです。複数株あるかもしれません。首が長いほうが切って飾りやすいから好きです。
春になったらこんもり咲く、というだけのことなら、9月に種まきして摘心すればいいわけで、10月に苗を買う意味ってなんなのかな、と丸坊主のビオラを見て思いました。
秋や初冬のうちに花を楽しみたいから、プロが早めに開花させてくれた苗を買うのではないでしょうか。暖かい地方なら、すぐに回復して、冬のあいだずっと咲くのかもしれませんけど。
「こんもり」を問い直す(笑)
イギリスに行くと、日本みたいな「こんもり」ビオラをあまり見かけません。わたしが行く時期が遅いのかもしれませんが、たまに見かけるイギリスのビオラはこうです。
徒長というレベルを超えたビオラ。原種の三色スミレ(ビオラ・トリコロール)でしょうか。
他の植物に寄りかかり日光を求めて伸びるビオラ。紫と黄色と白の配分がいい感じ。
チェルシーフラワーショーのビオラ生産業者のブースです。日本ほどこんもりしていなくて、ちんまりしている。気象条件が違うのも大きいでしょう。どちらにも良さがありますが、どちらがお好きでしょうか。
結論:必要かどうか考えてから
暖かい地域の場合は、植え付け時に切り戻してもさほど問題はないかもしれません。寒い地域の場合は、メリットとデメリットをよく考えてから切り戻しをしましょう。
また葉を切るということは、葉からの蒸散が減りますから、同じペースで水やりをすれば、根腐れも起きやすくなります。葉が少なくなるわけですから光合成もしにくくなります。北のほうであれば日照時間も短いでしょう。
日本は南北に長いので、地方によって条件が大きく異なります。これから成長しなくなる時期に葉を切れば、植物にダメージを与えることになります。
逆に、冬も花が咲くようなら花がら摘みは定期的にやっておきましょう。花をつけたままだと種ができてしまい、種の充実に養分を回すようになるからです。
おわりに
切るべきかどうか考える際に何よりも大事なのは、そのビオラをよく観察することだと思います。また究極的には、自分がどんなふうに咲かせたいか、楽しみたいか、ではないでしょうか。
こんもりしたビオラもすてきですが、こんもりしてないビオラもすてきです。種まきやこぼれ種のビオラを摘芯しないと上の写真のようにヒョロヒョロになりがちですが、ある意味、最も自然に近いビオラだと思います。
まあでも花壇ではこんもりがいいかな(笑)。
ですよね〜。
すでに徒長している感じだったら、切ればいいんじゃないでしょうか。全部切らなくてもいいですしね。
ただ切ったらよく咲くってわけではないですよ。日当たりや土のほうが重要ですよ。
お住まいの地域の気候にあわせ、メリットとデメリットを理解したうえで判断してください。
パンジー・ビオラを種から育てたい人は下記の記事もどうぞ。ではまた。