多肉植物

もっと美人に!パキフィツム・オビフェルム(星美人・月美人)の育て方

パキフィツム

粉をまとったお肌が魅力的なパキフィツム・オビフェルム。星美人または月美人という園芸品種名で流通しています。特徴や育て方のポイントを解説します。

パキフィツム・オビフェルム

パキフィツム・オビフェルム(Pachyphytum oviferum)はパキフィツム属の多肉植物の一種です。パキフィツムの原種は約20種類あり、オビフェルムは先端が丸っこい葉が特徴です。

パキフィツムの自生地

パキフィツムは500メートルから1500メートルのメキシコ高地に分布し、オビフェルムはサンルイスポトシ州にある海抜1200メートルの渓谷に自生しています。

自生地の写真があるサイト(英語)

自生地の写真が見られるサイトを探してみました。

画像が小さいのですが、左側2番目の写真で崖からたくさんぶら下がっているのがオビフェルムのようです。チランジアなどと一緒に崖の表土に張り付くようにして生えています。

サンルイスポトシの町には、むかし行ったことがあります。アメリカ国境からメキシコシティに行く間にある大きな町です。当時はサボテンや多肉植物にまったく興味がなかったので残念です。

上記のサイトには、渓谷の川が干上がっていてオビフェルムの生えていた一帯だけ水が少しあった、とあります。ダム計画が中止になったとも書いてあるので、雨も降るときはたくさん降るってことですかね。

パキフィツム

そこそこ水分のある環境に自生しているせいか、わりと水やり多めでパンパンになっても、それでダメージが起きることはあまりないと思います。とはいえ、崖ですから風も強いでしょうし、水がさっと流れてすぐに乾くのが理想的なのではないかと思います。

 

置き場所

パキフィツムは白い粉をまとっていますが、白い粉は人間がお化粧したり日焼け止めを塗ったりするのと同じで、紫外線を散乱させて細胞をダメージから守るためです。

高地の崖だから、太陽の方向によっては非常に強い紫外線にさらされています。高地は空気中にチリが少ないので紫外線の影響を受けやすく、紫外線は細胞内のDNAを損傷します。強い紫外線から身を守るために進化したのです。

一方、暗いところで育てると日照不足を補うために葉緑素が増え、緑っぽくなります。粉は不要になるので、きれいに出なくなります。

また成長が旺盛な時期に日照が不足すると、徒長して葉と葉の間隔があいてしまいます。丸っこい葉っぱが房状に生えているのが魅力なので、明るい場所に置いて徒長させないようにしましょう。

パキフィツム

6月のパキフィツムです。ちょっと暑そうにしています。ジョウロで水をあげたので水がかかっていますが、上から水をあげないほうがベターです。蒸れますし、粉がはげてしまいます。

直射日光が強すぎると葉が焦げて黒くなることがあるので、真夏の直射日光には晒さないようにしたほうがいいです。明るめの日陰がいいでしょう。

 

用土

水はけがよい土に植えます。ただカラカラすぎると下葉が枯れやすく、ほどほどに保水性があったほうがむっちりします。

パキフィツム

このプランターは、植え替えた観葉植物の土、赤玉土、多肉の土など、不要な土を入れていました。

たとえば園芸用培養土だったら、もう少し水はけをよくするために、多肉用の土、パーライト、鹿沼土、ゼオライトなど、土に隙間を作って水はけを促進する用土をブレンドしてみてください。

水を含ませた土を手の平にのせて、ぎゅっと握って、手を開いても土が固まったままだったら、水はけが悪い可能性があります。

 

耐寒性

メキシコ産なので寒いところは本来苦手ですが、一時的な低温には耐えます(一説にはマイナス7度が限界)。氷点下が続くような寒冷地では屋外では育てられません。うちは北関東なので、基本的には通年、外で育てています。

多肉植物と雪

以前、東京のルーフバルコニーで育てていたときに大雪が降り、数日間バルコニーがゲレンデのようになってしまったのですが、パキフィツムは短いひさしの下に置いていたので無事でした。

低温になる時期は、鉢土は乾いていたほうがいいです。このルーフバルコニーで育てていたときは、雨がたくさん降ると濡れてしまうので、冬は水やりはしませんでした。

パキフィツム

現在、12月下旬のベランダでこんな感じ。ほどほどに美人。夏は・・・、普通。

 

増やし方

ほかの多肉植物と同じように、挿し木や葉挿しで増やすことができます。

挿し木をする場合は、茎をカットして、切り口を数日ほど乾かし、土に挿します。切って置いておくだけでも発根します。

パキフィツム

左下にパキフィツム。引越しのときにカットして挿しました。秋に挿して、翌春はこんな感じ。

パキフィツム

現在12月の様子。ひとまわり大きくなりましたが、そんなに変わってないかな。下半分が発泡スチロールなので水分と養分が少ないのかもしれません。奥の葉っぱが一部黒くなっているのは日焼けだと思います。

 

星美人?月美人?

じつはうちには、星美人と月美人が両方あったはずなのですが、混ざってしまってどっちがどっちだかわからなくなりました。流通している星美人は、ほとんどが月美人だという説もあったり??? 

パキフィツムの花

自分の考えでは、原種のオビフェルムが日本に入ってきて「星美人」に。オビフェルムの英名がMoonstoneなので、それを輸入したものが「月美人」に。でも遺伝子的には同じオビフェルムだから混ざってしまった、ということかなと。

ただ原種のオビフェルムらしき写真を見ると花がもっと赤、というかオレンジがかっています。Wikipediaにもscarlet(緋色)と書いてありますが、うちのはピンクっぽい。やっぱり何か混ざっているのでしょうか。

緋色っぽい花が咲くのが、原種のオビフェルムに近いのかもしれません。それが「星美人」なのかは、また別の話ですけども。

ややこしいな!

 

パキフィツムの育て方まとめ

  1. 水はけよい用土
  2. 明るく風通しのよい屋外(真夏の直射日光に注意)
  3. 寒冷地では冬は屋内に(一時的な低温ならそこそこ耐える)

 

おわりに

星美人だか月美人だかわかりませんが、パキフィツム・オビフェルムって売り場で見るとパッとしないことが多いような・・・。ハウスや屋内に置かれているせいだと思いますが、本当は粉をまとって丸くむっちりした葉がとてもきれいなのです。

美人さんな状態で売られていたら、もっと人気になりそうな気がします。わりと丈夫ですし、ルビーネックレスや虹の玉など赤くなる多肉植物とあわせると、さらに引き立てられてすてきですよ。

ではまた。

楽天市場でパキフィツムを探す

この記事をシェアする
Previous Post Next Post