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日仏の感性が溶け合う睡蓮の庭。電車とバスで北川村「モネの庭」マルモッタンへ、の巻

フランス印象派の画家クロード・モネの庭を再現した、北川村「モネの庭」マルモッタンに行ってきました。行き方や見どころをご紹介します。

北川村「モネの庭」マルモッタン

4月末で有効期限が切れる中途半端なJALのマイルがあったため、国内でどこかに行く必要が急遽発生し、高知県の牧野植物園に行くことにしました(そちらについてはまた後日)。

ほかに高知ってお庭関連だと何があるのかな、と調べたら「モネの庭」も高知。ちょうど睡蓮やバラも咲いてそうなので、高知市から少し離れていますが行ってきました。

モネの庭マルモッタン

車で行ったほうが便利ですが、最寄りの奈半利駅(土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線)からバスも出ています。高知市からは片道2時間程度かかります。

フランスのジヴェルニーにあるモネの庭には2008年に行ったことがあります。再現度はいかに?

 

睡蓮の庭

北川村「モネの庭」マルモッタンには、大きく分けて3種類のお庭があります。睡蓮が咲く「水の庭」と、モネが地中海を描いた絵をモチーフとした「光の庭」、バラと季節の花が咲く「花の庭」です。

ホテルを9時に出て11時すぎに到着し、まず睡蓮の庭から見学。睡蓮は午後になると閉じてしまうからです。

北川村モネの庭

白、ピンク、赤の睡蓮が咲いていました。モネが咲かせたかったという青い睡蓮は6月下旬からの開花なのでまだ咲いていません。青い睡蓮ってキューガーデンで見たやつかな?

ウォーターリリーハウス

これはキューガーデンのウォーターリリーハウスで見た、青というか紫の睡蓮です。こんなのが咲くのかな。

温室がなくても熱帯性睡蓮が咲く、さすが南国土佐。高知駅の近くも並木が🌴🌴🌴だし・・・。

睡蓮の庭 太鼓橋

モネの庭の太鼓橋も再現されています。藤が咲く時期はきれいでしょうね。

もともとモネの庭は、浮世絵が好きだったモネの日本趣味がベースにあります。藤も日本の植物ですし、池をぐるりと回るようになっているのも日本の回遊式庭園の影響でしょう。睡蓮も仏教の象徴です。

そういえば、行きの電車にフランス人とおそらくドイツ人の旅行者が2組いたのですが、バスを待っていたのでモネの庭に行くのかと思いきや、奈半利の駅でモネの庭行きのバスに乗らなかったのです。いったい彼らはどこに行ったのでしょうか? 謎だ。

庭の清掃をちょうどされていました。睡蓮の絵のイメージに近づけるために、睡蓮の古い茎や根などを取り除いています。水鏡がきれいに映るようになるそうです。けっこう広い池なので大変ですね。

北川村モネの庭 睡蓮

水鏡に映るピンクの睡蓮。ほとんどモネの庭で咲いていた睡蓮から株分けされているそうです。

翌日訪れた牧野植物園には、日本原産の唯一の睡蓮であるヒツジグサが咲いていました。牧野富太郎博士は、未の刻に開花するというヒツジグサの名前の由来を検証するため、池で長時間の観察を行いました。

睡蓮の庭のほとりにあるバラのアーチも満開でした。訪問日は5月21日です。バラと睡蓮の両方が見たい場合には、5月中旬から下旬がいいのではないかと思います。青い睡蓮は6月下旬からです。

 

光の庭

本家ジヴェルニーのモネの庭よりも圧倒的に広い敷地を持つ、北川村のモネの庭。睡蓮の庭を奥に進むとモネが描いた地中海の風景をモチーフにした光の庭が現れます。

モネの庭マルモッタン

かっけー。あまり人が来ないのですが、ここ面白かったです。モネもびっくり。北関東人もびっくり。

地中海というか、どこだろうこの景色は。ジュラシックパーク的な? マデイラ島にもちょっと似ている。現実にはどこにもない景色なのかも、という気もする。

モネの庭マルモッタン光の庭の絵

ここの雰囲気がとても気に入ったので後日絵を描いてみました。

Twitterに載せたら優しい人にほめられちった。うれぴい。お絵描き初心者なので下手な絵ですが、心の美しい人には美しく見える仕様になっております。

モネの庭マルモッタン

こちらにも白い睡蓮がたくさん咲いています。小さい魚がたくさんいました。めだか? 

この後ろから遊歩道を通って見晴台まで行くことができます。片道30分もかかるので誰も登ってこないのですが、わたしは行きますよ。ぜんぶ見ますよ。

モネの庭マルモッタン

遊歩道をてくてくてくてく。それほど傾斜はなく歩きやすいですが少々距離があるので、時間がある人にだけおすすめします。

モネの庭マルモッタン

見晴台からは太平洋が見えました。いいところですねえ。太平洋に流れ込む川に面した山の斜面にあります。いい運動になりました。

お腹がすいてきたので下に降りてレストランに行きます。駐車場をまたいで反対側に、レストランと花の庭があります。

この日はすごく暑かったので中で食事しましたが、このテラス席もいいですよ。向こうの山が見えます。

モネの庭マルモッタン

魚のランチを食べましたがとてもおいしかったです。ほかにパン屋さんとショップがあります。

 

花の庭

お腹がいっぱいになったので今度は花の庭を散策します。レストランやショップの入っている建物の前に本家ジヴェルニーの庭にそっくりなバラのアーチが設けられています。バラ以外にも、さまざまな花がたくさん咲いていました。

ジヴェルニーの写真と見比べてみたのですが、咲いている花の量は圧倒的にこちらのほうが多いです。

日差しが強すぎて、しかも午後になって風が出てきたので、あまりいい写真が撮れなかったのがちょっと残念ですが。

モネの庭マルモッタン

こちらでも作業員の方々が暑いなか植物の世話をされていました。おそらく地形的に風が強いんじゃないかと思います。この日の前日も大雨が降ったし、台風のあととかも世話が大変でしょうね。

モネの庭マルモッタン

緑の鎖が張ってあってアーチの中に入れないのも本家と同じ(笑)。再現度が高すぎ。

ジヴェルニー

こちらはジヴェルニーのモネの庭です。7月なのでポピーなどは終わり。バラと睡蓮は咲いていました。

ジヴェルニー

こちらもジヴェルニー。オレンジはヘメロカリス。足元にはアルケミラモリス。

季節が違うので比較できませんが、また比較することにもあまり意味がないと思いますが、北川村のモネの庭はすごい努力されていると思いました。

クロード・モネ

小さな園芸店もあります。デルバール社のクロード・モネを売っていました。椿に似た雰囲気の絞りのバラです。同社はアーティストにちなんだバラを出しています。うちにはモーリス・ユトリロがあります。

 

高知市からの行き方

高知駅から奈半利駅に行き、奈半利駅から村営バスで約10分。

JR四国線が後免駅で土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線に乗り入れているので、乗り換えなしで1本で行けます。

モネの庭マルモッタン公式サイトの「交通アクセス」

村営バス時刻表

わたしは11時過ぎに到着し、14時44分のバスで帰りました。13時9分のバスは電車と接続が悪く、駅で50分待つそうです。

入園料は大人700円、子ども300円。JALの機内で配布している「JAL麗らか四国クーポンブック」のクーポンで10%オフになります。いろいろな施設やお店のクーポンが付いているのでもらっておきましょう。配布期間は2019年4月1日(月)から7月19日(金)まで。

その他詳しくは、モネの庭公式サイトをご覧ください。

 

おわりに

もともと北川村は柚子の産地で農業が盛んなところで、過疎化が進む90年代に柚子ワイナリー事業の誘致を目指したそうです。ところがその計画が頓挫。そこでモネの庭をテーマとする観光施設の建設に計画を切り替え、交渉担当者はフランスに何のつてもないまま派遣されたそうです(大変だ)。

白内障で視力の衰えた晩年のモネは、1910年代から亡くなる1926年まで自宅の庭の睡蓮を描き続けました。

「わたしにできるのは絵を描くことと庭いじりすることくらいだ。この庭がわたしの最高傑作なんだ」

憧れていた日本で自分の庭が日仏交流と地域の町おこしに役立っているなんて、きっとモネもよろこんでいるでしょう。

ちょっと高知市から離れていますが、睡蓮の時期に高知に行くことがあったら、ぜひモネの庭にも足を伸ばしてみてください。

ではまた。

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