繊細な花を咲かせるニゲラ。一年草ですが、場所があえば翌年もこぼれ種で発芽します。種まきも比較的簡単。特徴的な美しい花は、お部屋に飾る切り花にもなりますし、種鞘をドライフラワーにすることもできます。種まきのポイントを解説します。
ニゲラ(クロタネソウ)
ニゲラ(学名Nigella damascena)は、日本ではクロタネソウとも呼ばれます。英語圏では英語読みの「ナイジェラ」や「ラブ・イン・ア・ミスト(Love in a mist)」とも呼ばれます。細い葉が、お花を包む霧のように見えるからでしょう。青い花弁のように見えるのは萼(がく)です。
日本では、大きめの黒い種ができるためクロタネソウとも呼ばれます。大きな種鞘が弾けると、中の種がこぼれ、自然に発芽します。春になると茎が伸びてきて、「あれ?こんなところにニゲラが咲いている」ということがよくあります。
うちのニゲラは、いつ種をまいたか記憶にないのですが、2014年から写真があるので、それ以前にまいたようです。こぼれ種から発芽する数はオダマキほど多くはないですが、毎年どこかに咲いているので、こぼれ種で咲かせやすい花だと思います。
これはだいぶ前の写真なのですが、中央右に白のニゲラがあります。白は今年は咲かなかったと思います。自分が見てないだけかもしれないけど。たぶん青が一番残りやすいと思います。
ニゲラが咲いているのを見ると、いつも「造形美だなあ」と思うんですよね。人が作ったものではないのに造形美って変かもしれませんけど、すみずみまでデザインが凝ってて手抜き感がない。それでいてゴテゴテしてないのがいいよね〜。
ニゲラの種まき
ニゲラは移植を嫌う性質があるため、苗はあまり売っていません。種まきして育てましょう。
日当たりと水はけのよい場所に直まきするのがオススメです。秋にまくと、春から初夏に開花します。
発芽適温は20度前後です。関東だとお彼岸以降に涼しくなってきてからです。寒い地域は春にまいたほうがいいかもしれません。
直まきの場合は、少し間隔を開けてまきましょう。直まきできない場合は、ポットにまいて、できるだけ小苗のうちに土を崩さずに移植します。
冬はあまり伸びませんが、小さい状態で冬を超し、暖かくなると中心の茎が伸びてきて、花が咲きます。比較的耐寒性はあります。
上の写真の上部にある緑の細い葉がニゲラです。ここに種をまいたわけではないのですが、ここが気に入ったようです。
地中海沿岸地域の出身なので、日本の高温多湿はあまり好きではありませんが、蒸し暑くなる頃には咲き終わっているので、暑さはそこまで問題にならないかと思います。
ニゲラは嫌光性種子
ニゲラは嫌光性種子なので、明るい場所では発芽率が悪くなります。このため種をまいたら、しっかりと土をかけておくことが重要です。
かといって覆土が厚すぎても芽が出てこれなくなりますので、種がしっかり隠れていれば十分です。
あまり厳密なものでもないですが、5ミリ以内ですかね。1センチとかかけちゃうと厚すぎると思います。
薄く均一に土がかけられるので、100円ショップで売っている小さい園芸用のふるいが便利です。
種をまいてからジョウロで水をやると種が土の上に出てしまいます。土を平らにならして水をかけてから、種をまくといいですよ。
外国での古い研究によると、種まき前に24時間白熱灯の光を当てると、種まき後に72時間暗闇においていても、発芽率が29%に低下したそうです。種まき前24時間暗闇、種まき後72時間暗闇のグループでは、81%が発芽しました(参考文献)。
つまり、種まき前に種に光をあててしまうと、種まき後に暗くしても発芽率が落ちてしまうわけです。
ただ、うちの場合、こぼれ種にはとくに土をかけていないです。そのわりには、勝手に種がこぼれて発芽しています。たまたま土のなかにもぐった種が発芽してるのでしょうか。こぼれた種がぜんぶ発芽しても持て余すので、そこまで気にしなくてもいいような・・・。
「買った種はぜんぶ発芽させたい」という人は、光にあてないように気をつけてください。種は光を通さない袋に入っていますから、開けてすぐまいて覆土すれば問題ないです。
種鞘はドライフラワーに
5月頃に花が咲き、その後、風船のような種鞘ができます。
中にはたくさん種が入っているので、確実にまた咲かせたい場合は、種が熟したら採取して、光の当たらない缶などに入れて保管しましょう。
種鞘を乾燥させるとドライフラワーとして長く飾ることができます。水を入れずに花瓶にさしておくだけでもドライになります。
左下と右上に、ニゲラの種鞘があります。これはドライになる前の写真です。だいぶ色あせましたが、いまも飾っています。
黄色いのはクラスペディア・グロボーサ、後ろの白い花はアナベル、白い小さいな花はノコギリソウです。
おわりに
ニゲラの種は、大きめのホームセンターなら園芸売り場に必ずあると思います。ホームセンターにない場合はネットでも購入できます。
自分が買ったのは、どの品種だったのかおぼえてないのですが、ペルシャンジュエルという品種が一番入手しやすいと思います。
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このミスジーキルという品種、上のと何が違うんでしょう。吸い込まれるような美しさ? 気になる・・・。花びらが多いのかな?
種は楽天でも売っていますが、Amazonのほうが送料を含めるとお得なことが多いです。ただしヘンテコな種も売っているので、怪しい種を購入しないように注意してください。
ではまた〜。