観葉植物

エバーフレッシュの育て方。枯れる寸前の苗がこんなに立派に育ちました

エバーフレッシュ

人気の観葉植物エバーフレッシュ。小さいポット苗からでも数年経てば立派な大株になります。エバーフレッシュの育て方のポイントを解説します。

あのときのエバーフレッシュ

いまから5年前のことだ。都内にある大規模ホームセンターの処分品コーナーに、わたしは小さな2本のエバーフレッシュを見つけた。

「980円が298円・・・。うーん、コンディション悪いけど、どうしよう。ていうか、元値が高くない?」

2つのポットをじっと見比べると、片方はほぼ葉がない状態だ。もう一つは、まだ救えそうな葉数がある。

こんなヒョロヒョロの挿し木苗を980円で売るのがそもそも間違いなのでは? まあでも立地がいいからなあ。田舎とは違うね。

(参考写真:本文とは無関係です)

ポットを手に取ったり戻したりを何度かくり返したのち、コンディションのいいほうをあとで買うことに決め、わたしは隣の多肉植物コーナーに移動した。

サボテンもコンディション悪いなあ。室内だからなあ。

と、心の中でつぶやくわたしの視界の隅に、中年カップルの姿がうつった。

「あっ」

しまった、持って行かれてしまった・・・。わたしがじっと見比べているのを見ていたに違いない・・・。5分後にあると思うなお買い得品。

観葉植物コーナーに戻ると、買おうと決めていたほうのエバーフレッシュの姿はなく、葉っぱがちょろりと残っているだけの死にそうなエバーフレッシュが、連れ帰ってほしそうな顔をしてこちらを見ていた。仕方ない。これも何かの縁だ。うち来る?

「はい」

エバーフレッシュが小さく返事をした。

エバーフレッシュ

5年後の現在。

そのエバーフレッシュは大きく成長し、喉が渇くとわたしに水を要求するという図々しい態度も見せるようになった。そもそも夜になると眠るというふざけたやつだ。こいつは瀕死の状態から救ってやった恩義を覚えているのだろうか。

今日も窓の光を浴びながらくるくるとした新芽を出すエバーフレッシュを見て、わたしは思う。

あの最初に買おうと決めたエバーフレッシュも、どこかこの空の下で元気でいてくれればいいな、と。

〜〜終わり〜〜

 

また冒頭に駄文を書いてしまった(笑)。文字数稼ぎじゃないよ。本当の話ですよ。実話シリーズです。

では真面目にエバーフレッシュの育て方を解説します。

 

エバーフレッシュの育て方

おしゃれインテリアショップなどでもよく見かけるエバーフレッシュ。生育旺盛で育てやすい観葉植物なので人気があります。

エバーフレッシュ

インテリアショップでは大株で販売していますが、ホームセンターや通販では小さいポットでも購入できます。大きくなくてもよければ、小さいポットのほうが安く購入できます。

 

大株の注意点

大株の注意点は根詰まりです。わたしもずっと植え替えていないので根詰まりしているようで、水の吸い上げが悪いです。

寒い時期ではないのに落葉したり、葉っぱがだらーんとなったりする場合には、水がよく吸えていない可能性があるので、暖かい時期に一回り大きい鉢に植え替えましょう。

 

小苗から育てるうえでの注意点

小さなビニールポットに植えられている場合は、すぐ窮屈になってしまうのでそのままでは育てられません。根がしっかり張っているならば、少し大きな鉢に植え替えましょう。

挿し木苗でまだ根がよく張っていないようなら、しばらくポットのまま管理したほうがいいです。

あまり大きな鉢にいきなり植え替えると土が乾かなくて根腐れするので、少しずつ大きくしたほうが無難です。

観葉植物

左端にあるのが、購入後しばらく経って元気になった頃のエバーフレッシュです。葉っぱがたくさん出てきました。

鉢の直径は14センチくらいです。いまはこれと同じテラコッタの直径18センチの鉢に植わっています。

テラコッタはプラスチックの鉢よりも通気性がよく土が乾きやすいので、観葉植物に使う場合は、それが良い点でもあれば悪い点でもあります。植物の性質に合わせて使用する必要があります。

エバーフレッシュの場合は、そんなに水切れに弱くないので、テラコッタでもわりと大丈夫ですが、最近水を欲しがる間隔が極端に短くなってきたので、そろそろプラスチックの鉢に植え替えようかと思っています。

 

土・肥料

土は、観葉植物用の土を使用するのが最も簡単です。肥料は入っているので追加する必要はありません。

基本的に観葉植物はあまり肥料を追加しないほうがしっかり育ちます。

シクラメンなどの鉢花は肥料を追加しないと咲かなくなるのですが、観葉植物にガンガン肥料をあげると巨大な葉が生えたり、ヒョロヒョロになったり不細工になりやすいです。

とくに室内に置く場合は日照が足りないので、肥料のあげすぎには注意が必要です。

 

置き場

室内の窓辺に置きます。東や南向きの窓辺でカーテン越しの日照があれば十分育ちます。西の窓辺は経験がないのですが、たぶん大丈夫でしょう。北はちょっと日照不足かもしれません。

気をつける必要があるのは冬の温度です。20度前後がキープできるならば問題ないですが、寒い日が続くと葉っぱがポロポロと落ちます。

わたしの部屋は2月の一番寒い頃で日中16度くらいで、朝方11〜13度くらいまで下がります。葉が少し落ちますが、枯れることはありません。耐寒温度は8度だそうです。

エバーフレッシュの新芽

エバーフレッシュの新芽です。数カ所から一斉に出てきて、ほんの数日で大きな葉になります。

気温が低い時期には新芽は出ません。この部屋は南向きで日差しが入ると暖かいので、去年は12月でも新葉が出ていましたが、その前に住んでいた部屋は室内に日差しが差し込む時間が短く、温度も少し低かったのでもう少し早く成長がストップしていました。

ですから長期にわたって新葉を出させるには、温度と柔らかな日照が必要です。どちらかといえば温度のほうが重要なので、無理して日に当てようとして肌寒い時期に外に出さないほうがいいです。

 

横枝を出す

小さなポットから育てると、どんどん上に伸びていきます。ただ上にどんどん伸びると幹も細く頭が重くなって倒れてきます。

なので、ある程度の大きさになったら一度先端を切ります。そうすると下から枝が出やすくなります。幹も太くなります。先端からもまた新芽が出るので、切った位置もよくわからなくなります。

また葉を幹の付け根から切ると、その上から新芽が出て、横枝になります。ことばで説明しにくいのですが、幹から最初に出ている葉は、分枝する枝になりません。

エバーフレッシュ

幹に白っぽい楕円形のような部分があるのがわかりますか。そこが古い葉の取れた部分です。根元から切っておくと、少し残った部分もぽろっと取れます。その上から出てくる芽が枝になります。

うちのは、冬に落葉したり、水切れして葉が黄色くなったりした枝を切るだけなので不恰好です。変なところの枝が長くなっています。わさわさしているのが好きなのですが、それにしても不恰好なのであとで切ろうと思います。

 

曲げて樹形を楽しむ

下のほうの枝を落としたり、曲げたりして樹形を楽しむのも人気です。茎が柔らかいので支柱を立ててグイっと曲げておけば曲げ仕立てになります。

わたしはそういうセンスがなく、上にしっかり伸ばしたかったので、支柱で支えて立てています。とくに幹が細いうちは、支柱を立てないと頭が重くて倒れます。

エバーフレッシュ

センスがある人は、曲げ仕立てにチャレンジしてみてください。

でも枝を落とすということは、植物にしてみれば光合成できなくなることを意味するわけなので、そこだけは注意してください。

とくに冬に寒い部屋や暗い部屋で育てる場合は、冬に向けて体力をつけてあげたほうがいいです。あまり最初から無理させないように。

 

水やり

エバーフレッシュの水やりはわりと簡単です。なぜなら「喉が渇いた」と自分でアピールするからです。

エバーフレッシュは就眠運動といって夜になると葉を閉じる性質があります。葉の付け根部分の細胞内の水の圧力が変化するために生じる現象です。

植物中の水が足りなくなってくるとこの運動がうまくできなくなるため、暗くなってきても葉が閉じません。

いつも葉が閉じている時間に閉じなかったら喉が渇いているサインです。もちろんそうなる前にあげてもかまいません。あまり乾燥させると葉の付け根が下がったままになります。あげるときは鉢内に水がしっかりいきわたるように、たっぷりあげます。

エバーフレッシュ

少し閉じ気味のエバーフレッシュ。この寝ているときの状態を水切れだと思って水を頻繁にあげてしまうと根腐れの原因になります。

またエバーフレッシュはわりと乾燥にも強いです。わたしは夏に10日間くらい留守にすることもありますが、エバーフレッシュは枯れないので、水切れにも弱くはないです。さすがに真夏だとぐったりしていますが、水をあげれば回復します。

冬は水をあまり欲しないので、逆にやりすぎに注意しましょう。やりすぎないようにするというのは、少量をあげるという意味ではなく、間隔をあけるという意味です。

 

おわりに

以上、エバーフレッシュの育て方でした。大株もいいですが、小さいのから育てると愛着がわきますよ。

高さだけなら3年くらいでも見栄えがする大きさになります。幹を太らせるにはもう1年ってところでしょうかね。冬も成長する暖かい地方ならもっと早いでしょう。

苗が近くで見つからなければ楽天でも売っています。ちょっと高いけど。ではまた。

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