多肉植物

美しい渦(スパイラル)を描く希少アロエ。ポリフィラの開花株に遭遇、の巻

アロエ・ポリフィラ

ロンドンのキューガーデンでアロエ・ポリフィラの大株に遭遇しました。しかも開花中。葉が渦巻(スパイラル)状になるため「スパイラルアロエ」とも呼ばれます。

アロエ・ポリフィラ

ポリフィラはレソト王国原産のアロエです。南アフリカ原産かと思っていましたが違うんですね。レソト王国そのものが南アフリカに囲まれているので少々ややこしいですが。

 

ちなみにレソト王国とは

レソトは、周囲を南アフリカ共和国に囲まれた内陸国である。いったん周囲の南アフリカ共和国を経由しないと行き来できない地域すらあるため、「アフリカのスイス」「南部アフリカの屋根」ともいわれている。

全土がドラケンスバーグ山脈の山中に位置するため、平地が一切なく、全土の標高が1400mを超える。最高峰は、タバナントレニャナ山であり、標高3482mはアフリカ大陸南部の最高峰でもある。主要河川は、南アフリカ共和国との国境付近に源流があり、国土を縦断した後、南アフリカ共和国とナミビアを経由して大西洋に注ぐオレンジ川。レソトの最低地点はオレンジ川が南アフリカ共和国に流れ出す南西部にある。

ウィキペディアから引用しました。なるほどなるほど。「たばなんとれにゃな山」って言えますか? たばなんとれなな山、たばなんとれにゃにゃ山、たばなんとれにゃにゃにゃにゃ山。無理だ(絶望)。

アロエ・ポリフィラ

しかし、周囲を南アフリカに囲まれているというのは、なんというか今後が心配ですね。南アではジンバブエ化が始まっているのではと危惧されています。

南アでは農家の殺害が続いており、2003年から2011年は毎年80〜100人、2011年から2016年は毎年約60人、2017年から現在は47人が殺害されています

最近もトランプ大統領が非難のツイートをしたことが話題になりましたが、南ア政府は白人から無補償で土地を収用するという方針を打ち出しています

ジンバブエで政府が強制収用して黒人に配分した農地は、耕作されずに荒地と化しました。食糧危機になれば、困るのは一般の貧困層です。

また今年2月にはイギリス人の有名な園芸家夫妻が希少植物を採取中に行方不明になり、遺体で発見されました。犯人はイスラム過激派で、被害者のご夫婦は南アの植物に魅せられて移住し、希少植物のナーセリーを経営していました。 BBCのガーデニング番組にも出演していたそうです。

わたしのような節約志向の個人旅行者でも安心して旅行できるようになってほしいと思います。

いきなり暗い話になってしまいましたが、ポリフィラに戻りますね。

 

ポリフィラの特徴

ポリフィラの特徴は、なんといってもその渦巻状のフォルムの美しさです。大株になると渦巻がはっきりしてきます。

ちなみに、渦巻と螺旋って何が違うの?と思ったのですが、渦巻(スパイラル)は2次元曲線で、螺旋(ヘリックス)は3次元曲線だそうです。なるほど。二重螺旋はダブルヘリックス、青山にあるのはスパイラルホール。

アロエ・ポリフィラ

中心が渦巻みたいに見えますね。ぐるぐるぐるぐる・・・・。かっこかわいい。25センチくらいでしょうか。大株になると直径1メートルを超えるそうです。ということは、これはまだ全然「大株」ではないわけですね。渦巻もまだ弱いでしょうかね。本気を出したポリフィラが見たい。ちょっくらレソト行ってくる。

葉の数は約150枚ほどになり、葉数の多さがポリフィラ(polyphylla)という名前の由来です。Polyは「多い」、phyllaは「葉」を意味します。

自生地の写真を見て「何これ?」と思ったときから気になっていたので、発見したときはうれしかったです。閉園前で急いでいたのでゆっくり写真が撮れませんでしたが。

 

絶滅が危惧されるレアプラント

ポリフィラはレソトの固有種で、絶滅が危惧されています。

海抜2000メートル以上の高地に自生し、300株ほどがコロニーを形成しています。北向きの玄武岩の斜面に見られることが多く、玄武岩の上のごく薄い土の上に生えています。自生地の気候は高山気候で、冬は気温が低く乾燥し、夏の気温は最高30度。夏の雨季には雷と山火事が発生します。

このため、日本の高温多湿を非常に苦手とします。

キューガーデンのポリフィラは、まるで石に生えているように見えました。下に土があるのかなと思って覗いてみましたが、よく見えませんでした。根が石の下に入っているんでしょうか。自生地の環境を再現しているんでしょうね。

アロエ・ポリフィラ

最も個体減少の原因となっているのは、自生地における違法な採取です。自生地から株や種を採取することは禁じられています。

また栽培は非常に難しく、自生地から採取された株は、数年で枯れてしまうそうです。

以上、レソトにあるMaliba Lodgeのウェブサイトからまとめてみました。ときどき日本でも売っているのを見かけるので、栽培に挑戦する方の参考になれば幸いです。

 

キューガーデンでポリフィラを見るには

Davies Alpine House(デイビーズ・アルパイン・ハウス)とSchool Of Horticulture(スクール・オブ・ホーティカルチャー)のレンガ塀の間にまっすぐの道があり、その道沿いのロックガーデンにあります。

グーグルマップでも見られます。上の地図「アルパインハウス」の「ス」のあたりにあります(パソコン画面の場合)。物好きな人しかわざわざ見に行かないと思いますけど・・・。猛暑でダメになってないか心配。

イギリスで地植えできるということは、北海道あたりなら行けそうな気がするんですけど、どうでしょうか。関東だと夏が心配ですね。

 

おわりに

最近は日本でもときどき小苗を売っているのを見かけるポリフィラ。アロエのなかでも難物なので、わたしは持っていませんが、いつか育ててみたいです。でもやっぱり無理かな・・・。いまあるアロエさんたちを大切に育てようと思います。

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