育てやすくてロゼットの美しいグラプトベリア・マーガレットレッピン。鉢に適当に植えられた2つのマーガレットッピンのその後の経過を観察してみましょう。
グラプトベリア「マーガレットレッピン」
マーガレットレッピンはエケベリアに似ていますがグラプトベリア属で、Graptopetalum filiferum とGraptoveria ‘Titubans’を交配させたものです。Titubansというのはいわゆる白牡丹らしい。もう一方のGraptopetalum filiferumってなんぞやと思って調べてみましたが、日本では「菊日和」という名前で流通している品種だそうです。
で、白牡丹は朧月(グラプトペタルム)と静夜(エケベリア)の交配種なんですね。ややこしい。
爪がキュッと尖っているのは、菊日和の形質でしょうか。全体的にうっすらと白く透明感があるのは、静夜から受け継いだ感じですね。
朧月の丈夫さも受け継いでいるので、比較的丈夫で増やしやすいです。
四季を通じたマーガレットレッピンの変化
夏に増えた多肉を整理して、植える場所がないものをパックに詰めて実家に持ち帰り、ミニバラが植わっていた鉢にそのまま挿しました。
こういう適当な多肉の植えかたを、ちまたでは「ぶっこみ鉢」というらしいです。
寄せ植えというほど手をかけたものではなく、鉢にカット苗ならポンと、葉挿しならパラパラと置いておくだけのものだからです。
時期が初夏だったので、根がない状態で暑い時期に突入してしまったのですが、涼しくなったら元気になりました。
10月下旬の様子です。
まだ夏のお疲れが残っているためだいぶ貧相ですが、放置でも自力できれいになっていくのが多肉植物のすばらしさ。
そして12月下旬には・・・。
疲れがとれて、すっきりとしたお顔に。みんな自然と南を向いている。
姫秋麗、朧月、虹の玉、秋麗、プロリフェラ、ルビーネックレス、星の王子、マクドガリー、数珠玉、レティジア、ブロウメアナ、レフレクサムなどがあります。
手前のほうはルビーネックレスとレフレクサムが邪魔だったので抜いて、また挿し木しておきました。
虹の玉や左上のレティジアなど、この時期に紅葉する多肉もきれい。
そして冬を越し、3月下旬・・・。
春を迎えたマーガレットレッピン。うっすらとピンクっぽくなりました。中心の新しい葉っぱとのグラデーションがきれいです。
奥にあるセデベリア属のレティジアも紅葉がすばらしい。ルーフバルコニーのレティジアは1月の雪を避けて室内に避難したら完全に徒長してしまいました。
多肉って、あまり過保護にしていると赤い紅葉を見られないわけですが、どこまで寒さに耐えられるのかわからないですからね。品種だけでなく環境や個体にもよりますから。だから株を増やしてバックアップをとっておきたいですね。
春にはかわいいお花も咲きます。これはだいぶ前の写真なので最初に購入した株かもしれません。カット苗1つから葉挿しによる増殖を経て、いまの数になりました。
マーガレットレッピンの増やし方
マーガレットレッピンは葉挿しや挿し木で簡単に増やせます。葉をとって乾いた土の上に置いておくだけで根が出てきます。根元がちぎれないように、横に揺らす感じでそっと取るのがコツです。
葉挿しした苗を育成中の写真です。この頃は小さくてかわいいですね。
マーガレットレッピンは茎が上に伸びていくので、株元に子どもをつけます。これをカットして発根させるのも容易です。上の写真は春に株元に生えた子株です。
5月になり、ピンク色があせ、緑になってきました。子株も大きくなって、親株の下でむぎゅーっとなっています。親株を切れば子株に栄養が行くので成長が促進されますが、きれいなので切れない・・・。
夏を経て、再び10月下旬になりました。水を吸って葉が開いています。葉が開くのは風通しを良くするためでもあるでしょう。上の写真にある2株からこんなに増えました。
子株は親株につけたままでも育ちますが、独立させたほうが風通しがよくなりますし、子株を大きくすることができます。カットするなら春か秋がいいでしょう。
子株を親株につけっぱなしにする場合は、鉢が小さすぎると根詰まりしてしまうので、株が大きくなったら大きめの鉢に植え替えたほうがいいでしょう。
植え替えしましょうとか言っておきながら、また植え替えないまま冬を迎え、2月になってしまいました。
秋からあまり水やりもできず、氷点下になるかもしれない外に出しっぱなしなので、ちょっと傷んでいますが、子株がだいぶ増えています。
下のほうの葉が落ちて茎立ちしてきますし、根詰まりしていますし、見た目的にもよろしくないので、春になったら植え替えたいですね。
以上、四季を通じた変化といいますか、1年半くらいの経過観察でした。
マーガレットレッピンが苦手な季節
比較的丈夫な多肉ですが、夏の暑さに少し弱いです。ほかの多肉よりも、夏に雨ざらしにしていると、ちょっと蒸れやすいです。下葉が落ちたり、茎が腐ったりしないように注意します。
水やりも控えめにして、風通しのよい涼しい場所に置いたほうがいいでしょう。
おわりに
丈夫で増やしやすく、初春にはピンクグレーとブルーグレーのやわらかなグラデーションが楽しめます。エケベリアよりも丈夫ですが、パッと見た感じはエケベリアなので、初めて多肉を育てる方にもおすすめです。ではまた。