先日に引き続き虹の玉ですが、伸びすぎて根詰まりした鉢があまりに見苦しいので、少しカットして挿し木しました。多肉植物を増やすには一番簡単な方法です。
根詰まりした鉢
先日もセダム虹の玉の育て方について書きましたが、今日はダメな育て方の例です。
セダムの虹の玉は成長が早いので、小さい鉢で育てると、このようにみすぼらしい状態になります。こうなったら、というか、こうなる前に仕立て直しをしましょう。
根詰まりして水が吸えていないためか、気根がたくさん出てきています。もじゃもじゃ。いやだわ、こんなの(笑)。もはやネグレクト。多肉警察に通報だ〜。
それなりに先端は元気ですが、先端に水を送り、さらに下には子株ができるため、必然的に中間部の葉は干からびてきます。これは実家に置いてある鉢で、ふだん世話できないので、こうなってしまいました。
このような状態でも子株はできます。カタバミが生えているのがなんだかもうね。でも根詰まりしていると普通の状態よりもストレスがかかるので色は赤くなります。姫秋麗などもピンクが強くなります。
カットして挿し木・葉挿し
全面的な仕立て直しが必要ですが、とりあえず伸びているのをカットして挿し木しました。虹の玉なら、わたしはカットしてすぐ乾いた土に挿してしまいます。
完璧を期すならば、少し乾かして切り口が閉じてからのほうがいいです。切り口が閉じていないと、水とともに土中の雑菌や余計な養分を吸い上げてしまうからです。
しかし虹の玉は茎が細いのでそれほど神経質にならなくてもいいんじゃないかと思います。乾いた土であれば大丈夫でしょう。あるいはお皿か何かに置いておくだけでも時期がよければ発根します。春か秋が適期です。
気温の低い冬は成長期ではないので、なかなか発根しませんし、根がない状態で置いておくと消耗するだけです。暖かい室内に置いておくと、根がなくても徒長はします。
玄関に植えてあるプリムラの鉢の隙間に植えました。一緒に姫秋麗とプロリフェラも一緒に。この鉢は雨のかからない場所に置いてあります。
根が出る前に水をかけると雑菌が入る可能性があるので、多肉には水がかからないようにします。つねにビチャビチャとかでないかぎり、そこまで気を使わなくても大丈夫だと思いますが、心配ならば多肉だけの鉢にしてください。
先端を短く切って植えます。ツヤテカでかわいいですね。すぐ伸びるので、こういう状態ではキープできませんが、とりあえずみすぼらしくはなくなりました。あまりぎっちり植えてしまうと、また伸びて混み合ってしまうので、本当はもう少し間隔をあけたほうがいいと思います。
下の子株のほうを切ってもいいですが、そうすると頂芽がさらに伸びてしまいます。上を切ったほうが下の子株が大きくなって増えやすくなります。このような性質を頂芽優勢といいます。
頂芽優勢とは、先端にある芽の成長が、側芽(わき芽)の成長よりも優先される現象のことです。これは成長ホルモンの作用によるものなのですが、成長ホルモンは重力の影響を受けます。つるバラの茎を横に倒して芽吹かせるのはこのためです。倒してあげると先端部の成長ホルモンが下に降りてくるため、中間部から芽吹きやすくなるのです。
しかし重力に逆らって下から上へ行くことはできません。上のほったらかしだった鉢を見ると、先端部が上を向いていて、中間部は芽が出ていません。頂芽で生成される成長ホルモンが茎の途中でストップしているからです。茎が垂れている部分を切ってあげれば、子株がまた成長しやすくなります。
ひげ根が出ている長い枝は、葉をつけたまま横に倒しておくと根付き、たくさんわき芽が出てきます。虹の玉にかぎらず挿し木の基本ですが、まったく葉がない状態だと光合成ができないので枯れやすくなります。
上の写真のように、少し横に倒すと頂芽優勢が崩れるので子吹きしやすくなります。成長が早いので、葉挿しよりも簡単に増やすことができます。
とれた葉っぱは転がしておきましょう。成長点が生きていれば、そこから根や新芽が出てきます。根が出たら土をかけて根が乾かないようにしてください。乾きすぎると根が枯れてしまいます。
おわりに
エケベリアなどですと、カットした場合は、雑菌が入らないように乾燥させたり多少気を使いますが、虹の玉や姫秋麗は、時期を間違えなければ、手間いらずでどんどん増やすことができます。
春と秋の成長期がベストですので、今のうちにカットして仕立て直しましょう(と自分に言っています)。
追記:このとき挿した虹の玉はその後どうなったでしょうか。下記の記事もどうぞ。