島がまるごと世界遺産になっているマデイラ島には、海をのぞむ斜面につくられた植物園があります。マデイラ島に行ったらぜひこの植物園を訪れてみてください。
青い空と海、緑のサボテン、オレンジ色の極楽鳥花。自然の美しさと人間のイマジネーションが生み出したパラダイスがそこにはあります。
目次
植物園への行き方
Jardin Botanico、すなわち「植物園」という名前のこの植物園には、バスで行くこともできますが、ケーブルカーを2本乗り継いで行くのが楽しいのでおすすめです。
モンテで1本目を降り、そこで教会とモンテ庭園を見てから、もう1本のケーブルカーに乗って植物園へ行くといいでしょう。
モンテ行きケーブルカー
モンテに行くケーブルカーです。天気が良ければ本当にきれいです。フンシャルの街を上から見るのも楽しい。
屋根の上で植物を育てていたり、住宅街に巨大なアガベが花を咲かせていたり、この街の人は緑が好きなんだなあとうれしくなります。
植物園行きケーブルカー
谷間を通って隣の山にある植物園へ行くケーブルカーに乗り換えます。
モンテのケーブルカー駅から少し歩きます。ケーブルカー駅の裏を右手にまっすぐ、だったと思います。
バス
バスで行くことも可能です。
31番のバスは植物園行き、31Aのバスは植物園を通ってケーブルカーの駅まで行きます。29番も植物園の前でとまります。
http://www.horariosdofunchal.pt/index-eng.php
ケーブルカーで行くときの注意点
モンテ庭園も見学したい場合には、教会とモンテ庭園を見てから植物園に行ったほうがいいかもしれません。
そうすれば植物園の下の出口からバスかタクシーで帰れます。
一方、トボガンというソリでフンシャルまで戻りたい場合には、モンテがスタート地点ですのでモンテまで戻る必要があります。
ですからケーブルカーと植物園のチケットを購入する前に、どうするかをよく決めておいたほうがよいと思います。
ちなみに、フンシャル観光では地味に大事な点なのですが、googleマップが「行ける」と表示していても、行ってみると「こんな坂のぼれるか!」というルートだということがあります。
googleマップに怒っても仕方ないので、事前に確認しましょう。
海沿いのエリア以外は斜面ですから、地図上で縦に走っている道は基本的に坂です。
横の道も微妙にアップダウンがあります。
上の写真の谷間も山の中に見えますが、海からすぐです。いかに急斜面かがわかるかと思います。
巨大な多肉植物たちがお出迎え
アロエのペグレラエとラモシシマとマルロシーを種から育てているんですが、ここはアロエ、アガベなどの多肉植物やサボテンが好きな人には楽しい場所ですよ。
温室内ではなく、屋外で立派に育った多肉植物がたくさん見られます。
上の写真では咲いていないですが、アガベアテナータが、ゾウさんの鼻みたいな花をあちこちで咲かせています。後ろはアロエプリカティリスでしょうか。
こちらはアガベアメリカーナ? アオノリュウゼツラン? たぶんうちの庭のはじっこでいじけているやつですね。
日本でも巨大化して花が咲くようですが、この個体は相当でかいです。ここまで育つのに何年かかったのでしょう。咲くと本体は枯れるみたいですね。
フンシャルの街を見下ろす幾何学模様のガーデン
はあ、実物は空が青くてもっときれいだったなあ。また行きたい。
サボテン、幾何学模様、街並み、海、空。
青、緑、赤、オレンジ。
美しい。楽しい。
極楽極楽。
極楽といえば、極楽鳥花とも呼ばれるストレリチア・レギネも咲いています。マデイラではシンボル的な植物で、ストレリチアをモチーフにしたお土産もたくさん売っています。日本では観葉植物としてホームセンターで売っていますね。
オーガスタ(ストレリチアニコライ)も花を咲かせている株を見かけました。オーガスタのほうがレギネよりも大きく、花は白です。オーガスタもかっこいいですね。
ストレリチアレギネは一般的にはオレンジの花が咲きますが、わたしは黄花種マンデラズ・ゴールドの花を咲かせたくて、南アフリカから種を取り寄せました。
ストレリチアレギネは南アフリカ原産の植物です。マンデラズゴールドは、突然変異によって出現した黄花種に、ネルソン・マンデラにちなんだ名前をつけたようです。
マンデラズゴールドを10粒購入したら、オレンジの普通のタイプが20粒おまけで届きました。果たして花を咲かせることができるでしょうか。
ストレリチアの種はマデイラでもお土産として売っています。2ユーロほどだったと思います。
すてきなビカクシダさんたち。
わたし、ビカクシダはちょっと怖いかなと思うときがあるんですけど。家の中に飾るのは無理だなと。
「おい、そこの中年!」とか夜中にしゃべりそうじゃないですか。
うちのビカクはしゃべるよ、って人いたらコメントください。証拠の動画もあると助かります。
アロエエリア。
アロエを美しいと思うようになったのは、ここ数年です。昔は、むしろ汚いと思っていたような。
右手の多肉花壇には、日本でもよく見かけるような多肉がびっしり植わっています。
ポルトガルは財政難でマデイラ島もその影響はあるようです。ずっと変わらないでほしいですけど、EUの経済状況を考えるとなかなか厳しいようです。
この近くに個人経営のラン園があります。そこはわたしの訪問した数日前にも樹齢200年の木が嵐で倒れ、数棟ある温室のうちいくつかの屋根が破壊されていました。人が死ななくてよかった、というレベルのひどさでした。
でもテラスから見える景色はとても美しく、ラン園のスタッフも「なんとか再建する」と言っていました。
しかし、その年(2016年)の夏、マデイラ島では大規模な山火事が発生しました。日本のニュースでも報道されるほどでした。
先ほどこのラン園のことを調べていたら、なんとこのラン園も山火事で全焼してしまったそうです。
倒木でめちゃくちゃになった温室をお姉さんが一人で片付けていていて、「再建は厳しそうだな」という感じだったのですが、そのうえ全焼とは。絶句。
このエリアにはすてきな住宅がたくさんありました。あの黄色い家も、チランジア御殿も燃えてしまったんだろうか。
植物園のすぐ近くなのですが、植物園には被害はなかったのでしょうか。
あるうちに見ておきたい、と最近よく思います。
上で紹介したエリア以外にもいろいろな植物のエリアがあります。
見晴らしのよいカフェもあるので、散策に疲れたら一休みしましょう。斜面なので少々体力を使います。
ツアーに参加しなくてもケーブルカーかバスで行けますから、マデイラ島に行ったらぜひ訪れてみてください。