ガーデニング

地植えで大株に。クリスマスローズ(ヘレボルス・オリエンタリス)の育て方

クリスマスローズと春の花

クリスマスローズ(ヘレボルス・オリエンタリス)は、適した場所に地植えすれば、年々株が大きくなってたくさんの花を楽しむことができます。育て方のポイントを解説します。

ヘレボルス(クリスマスローズ)の種類

クリスマスローズ

日本では一般的に「クリスマスローズ」として販売されているヘレボルス。

本来イギリスでクリスマスの時期に咲くのはヘレボルス・ニゲル(Helleborus niger)で、春咲きのヘレボルス・オリエンタリス(Helleborus orientalis)はレンテンローズ(Lenten rose)と呼ばれています。

レンテンというのはキリスト教の四旬節(Lent)のことで、復活祭の46日前から前日までを指します。

ただし、日本ではHelleborus属全体が「キンポウゲ科クリスマスローズ属」になっていますので、どちらをクリスマスローズと呼んでも間違いではありません。

見た目の違いとしては、ニゲルは茎が短く、純白の花を咲かせます。うちにあるのは、数十年前にクリスマスローズとして購入したものでオリエンタリスだと思います。

 

苗の選び方

ある程度お値段のする開花苗と花のついていないポット苗が販売されています。3号ポット苗で398円くらいでしょうか。

欲しい花のイメージがある場合は開花苗を購入しましょう。安いポット苗は咲くまで2、3年かかりますし、どんな花が咲くかわからないのでややギャンブルです。人によっては、それが逆に面白いかもしれません。

クリスマスローズ

3号ポット苗で購入したクリスマスローズです。植え付けから2年目の今年の春に初めて咲きました。一重のクリスマスローズしかなかったので八重咲きの札が付いている苗を買って植えてみました。ちょっと地味ですね。

クリスマスローズはこぼれ種で増えるので、八重の遺伝子を庭に投入してみたくなったのです。自然交配するのでしょうか。気の長い話ですが・・・。

クリスマスローズ

こんなのが出てこないかな・・・。無理です。

ポット苗は、根がしっかり回っていれば、そのまま地植えしても大丈夫です。これの前にも小さいポット苗を一度購入したことがあるのですが、鉢でしばらく育てようと思って鉢に植えてみたら、わたしの留守中に誰も水をあげなかったらしく、枯れていました・・・。

なので世話ができない人は、いきなり地植えしてしまったほうが逆に安心だと思います。まだ小さすぎる苗や根の少ない苗はポットのまましばらく管理してから地植えします。時期は秋か春がいいでしょう。

上の株は、しだれ桜の東側の根元に植えました。夏は木陰になり、秋冬は日が当たります。

 

植え付け

鉢でも地植えでも育てられますが、管理が楽なのは地植えです。クリスマスローズの本領が発揮されます。

クリスマスローズの育て方で唯一注意すべきポイントは、植え付け場所です。落葉樹の東側など、夏の間に少し日陰になる場所が適しています。小苗のうちはとくに夏の暑さに弱いです。

クリスマスローズ

キンモクセイの下の塀際に勝手に生えてきたクリスマスローズです。見てのとおり古い葉もそのままで落ち葉に埋もれて何も世話をしていないのですが、ごきげんに咲いています。キンモクセイは常緑なので日当たりはイマイチですかね。

当地は霜もおりますし、雪もたまに降りますが、落ち葉や古い葉が花芽を守ってくれます。だから落ち葉の掃除をしないのです(キリッ)。

クリスマスローズの芽はあちこちに出るのですが、雑草と一緒に刈られる場所、踏まれる場所、乾きすぎな場所に生えてしまったものは自然に淘汰され、結果的にこのような場所のものが生き残ります。

クリスマスローズ

この紫のは家の東側に咲いています。木の下ではありませんが、夏の西日は当たりません。西日がガンガン当たる場所だけ避ければ大丈夫だと思います。

クリスマスローズ

一方、ここは日陰ではなく西日も当たるし、水やりもしないし、汚い葉もそのまま、つまり何も世話をしていないエリアなのですが、クリスマスローズの藪のようになっています。いちばんここが花が多いです。日当たりがいいからでしょうか。

したがって、夏場に土が乾きすぎない少し冷んやりした場所が好きなことはまちがいないのですが、かといって西日が当たると枯れる、というほど弱くもないです。暗いところが好きなわけではありません。苦手なのは、夏場の水切れと強い日射しです。

古い葉が茶色くなるのは日焼けか水切れ、あるいは単純に古くなって枯れただけなので、病気ではありません。新葉が黒いのはウイルスかもしれませんので、注意が必要です。

 

植え付け後の世話

適した場所に植え付けて根付いてしまえば、地植えであればほとんど世話はいりません。肥料もあげていませんが、よく咲きます。

クリスマスローズ

古い葉は、寒い地方では霜や雪の降るうちはつけておいたほうがいいかもしれません。

枯れた葉は切ってもいいですが、中心から花芽が出てきて、古い葉は外側にぺたんとなるので、花茎が伸びてくれば日当たりのじゃまにはなりません。

汚ければ切ってもいいですが、切りすぎないように。枯れていなければ、葉は光合成をしています。早く大株にしたければできるだけ葉を残しましょう。

 

花が咲いたらブーケに

花びらのように見えるところはじつは萼(がく)なので、非常に長く飾ることができます。雄しべが落ちるのが少々欠点です。

クリスマスローズ

下向きに咲く花なので、ふつうに花瓶に生けると花が下を向いてしまいます。茎を長めに切って、ほかの花で束ねてブーケにすると、花が見えてきれいです。

左手にぎゅっと持って花が見えるように束ね、輪ゴムや麻ひもで縛ります。

クリスマスローズはお花屋さんだと湯揚げするそうですが、切ってきてすぐ生ければ湯揚げしなくても大丈夫です。

開花後は種をつけたくない場合には花を切ります。株が小さいうちは種をつけないほうがいいので、花を切って葉に栄養が行くようにしましょう。

 

おわりに

クリスマスローズは適所に植え付けて根付いてしまえば、あとはあまり世話の要らない丈夫な植物です。

わたしが植えた頃は、近くのホームセンターでは売っていなくて、タキイかサカタの通信販売で購入しました。いまでは冬から春にかけてすてきな苗がホームセンターで入手できますし、すっかり日本のお庭に定着しましたね。ぜひ植えてみてください。

ではまた。

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