新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が経済に大きな影響を与えています。有事の今だからこそ、平時から持っておくべきお金のマインドについてお話ししたいと思います。一時的な生計維持のためにお金が必要な人が利用できる小口貸付制度(無利子)もご紹介します。写真は旅先で出会った働く猫たちです。
目次
新型コロナウイルスが経済に与える影響
園芸ブログなのに「また新型コロナウイルスの記事かよ」と思われるかもしれませんが、今日は経済および庶民の懐に与える影響について、考えていることを書いておきたいなと思います。
1月末に書いたコロナの記事は、もう更新してないにもかかわらず、まだそこそこアクセスがあります。それだけ検索ボリュームが大きいんだと思いますが。
記事を書いた後も、ダイヤモンドプリンセスの乗客にYouTubeをやっている英国人ご夫婦がいたので、それをずっと見ていました。このご夫婦はその後陽性が判明し、日本の医療機関に入院されたので、実際の症状や経過も観察することができました。またYouTubeで毎日、外国メディアのニュースを見ていました。
海外のメディアに比べると、日本のメディアおよび一部専門家は、新型コロナウイルスの脅威を過小評価していたように思います。
ほとんどテレビは見ないのですが、たまにテレビに出ている専門家がどんなことを言っているのか気になって見てみると「マスクは無意味」「40歳以下は発病しない」・・・。まあ今となってはどうでもいいんですけど、国民の命がかかってる局面なので、専門家にはもっと慎重に発言してほしかったですね。
前にも書きましたが、先を見て対策をとることが重要です。英語ではproactive(プロアクティブ)といいます。起きていることに場当たり的に対処するのではダメなのです。こちらはreactive(リアクティブ)といいます。
日本語にも「転ばぬ先の杖」といういい諺がありますね。プロアクティブに考え、行動しましょう。
前置きが長くなりましたが、経済への影響を考察します。さらにお金との付き合い方を改めるために役立つ本と、コロナのせいで経済的に困っている人が利用できる公的貸付制度をご紹介します。
長期的な影響は不可避
ほとんどの方がもう認識していることと思いますが、経済への長期的な影響は避けられません。
自分は2月の頭には暗澹たる気持ちになっていて、米国市場の株価が高値を維持していたのを不思議な気持ちで見ていました。しかしやはり下がってきたので、利益のあるうちに投資信託をほぼすべて売却しました。いったんリスクオフしたかたちです。
米国政府が大規模な経済対策を打ち出したために市場は落ち着きを取り戻し、現在の株価はリバウンドしていますが、今後影響がさらに長引けば、また下落する局面が出てくるかもしれません。
もちろん感染が収束・終息して持ち直す可能性もゼロではありません。しかし米国では記録的な数の失業者が発生しており、時間がかかればかかるほど、実体経済の傷口は大きく広がっていきます。
日本経済は米国および中国経済に大きく依存しており、日本人にも無関係なことではありません。
歴史を振り返る
今回の新型コロナウイルスは、第一次世界大戦中に起きた1918年〜1919年のスペイン風邪(新型インフルエンザ)に匹敵するものだと思います。
そして世界恐慌の引き金を引いた株価大暴落が起きたのは、スペイン風邪から約10年後の1929年です。
株価がそのときの水準まで戻ったのは、第二次世界大戦後の1954年です。
経済危機は複合的な要因によって生じるため、今回も同じことが起きるとはかぎりません。しかし経済的にも政治情勢的にも、先行きに不透明感が大きいことだけは確かです。
しかし大きな事象に対しては個人には何もできません。ましてや今回はウイルスです。個人にできることは状況を受け止め、プロアクティブに生活を防衛することです。それが不安の解消にもつながります。
危機に備えて家計を見直す
まだ大きな経済危機になるかどうかはわかりませんが、小さな危機でも大きな危機でも危機を乗り越えるには、普段から節約を心がけ、身の丈にあった暮らしをして、収入の何割かを貯蓄に回しておくことが大事です。
家具メーカーのニトリについて『東洋経済』にこんなニュースが出ていました。
「不況こそチャンス。うちは無借金で預金もあるから、攻めていくことができる」。4月6日、都内で開かれた決算会見の場で国内家具最大手・ニトリホールディングスの似鳥昭雄会長はそう豪語した。ニトリ、コロナ禍でも「増収増益宣言」の衝撃(東洋経済)
2020年2月時点でのニトリの預金は約1600億円。3年前比で倍以上に積み上がっているそうです。
企業も個人も同じです。危機を乗り越えるには、財務内容をふだんから健全にしておくことが大事なのです。
- 借金しない
- 支出を減らす
- 収入の何割かを貯蓄に回す
当たり前ですが、この3つが大事です。もちろん余裕がある人はお金使ってください。
現在借金もある、収入も減ったという人もいるかもしれませんが、ニトリの会長も北海道拓殖銀行の破綻で痛い目にあったために無借金経営になったそうです。これを機会にお金との付き合い方を見直しましょう。
「となりの億万長者」に学ぶ
昔、図書館でお金についての本を借りて読みあさっていた時期があったのですが(笑)、一番すばらしいと思った本をご紹介します。
わたしが読んだのはこの表紙でしたが、これは絶版なのかな。アメリカでも非常に有名な本なのですが、著者は数年前に事故で亡くなってしまいました。
こちらが新版。中身はおそらく同じ。在庫なしが増えている気がするのですが、コロナのせいでしょうか。
同じ著者の本。こちらも読みましたが、上の本ほど記憶に残っていない。たぶん同じようなことが書いてあったかと。
そして上の本(『なぜこの人たちは〜』)に橘玲氏が解説をつけたのがこの本のようです。
お金のない人はお金が減るので図書館で借りてください(笑)。本の好きな人は図書館の近くに住むべきですよ。絶版本や自分では買わないだろうなという本に出会えますからね。昔、図書館からすぐのところに住んでいたのですが、こういう実用書が充実している図書館だったのです。
『となりの億万長者』を英語で読むならこちら。レビューが2322個もあります。1996年に出版された本ですが、今でも読まれているのは、時の試練に耐える内容だからです。お金儲けというよりも、質素倹約がどんな大きな効果を生むか、という堅実な内容です。
本ってね、そのジャンルで「最高の1冊」ってあると思うんですよ。オリジナルというか本家というか、いろいろ読んでも結局のところエッセンスは同じなのよね。もちろんほかにもいい本はありますけどね。
危機はチャンス
またニトリの会長のおっしゃるように、不況はチャンスでもあります。不況を喜べという意味ではないですよ。社会が変わる節目になるかもしれないという意味です。
自分は昔、「元銀行員がモール型の通販サービスを開始」みたいな短いニュースをテレビで見て、「楽天市場だって(笑)」と思ったのをよくおぼえているんですよね。
ちょうど大店法の廃止と同じ頃で、地方の衰退する商店街がとどめを刺された頃です。毛糸屋さんとかも昔は商店街にありましたが、いまは楽天のお店で買う人が多いんじゃないでしょうか。
自分は大店法廃止には反対でしたけどね。若い人は知らないと思いますが、商店街が元気だった時代は街に活気があって楽しかったんですよ。
あの頃わたしもHTMLくらいは書けたので、あの頃に何かやってたら、今頃はイーロン・マスクか三木谷さんのような大金持ちになって、多肉用と熱帯植物用の温室のある大きなお屋敷に住んでいたと思います。間違いない。
翻訳なんかに進まなければ〜〜〜。バカバカバカ〜〜〜(笑)。
社会がどのように変容し、人々が何を求めるようになるのか、そういうことをいつも考えている人が、新しい未来の開拓者になるのかもしれません。
今すぐお金が必要な人は「緊急小口貸付」を賢く利用
3月25日から「新型コロナウイルス感染症を踏まえた生活福祉資金制度による 緊急小口貸付等の特例貸付」の申し込みが始まっています。
対象者は「新型コロナウイルスの影響を受け、 休業等により収入の減少があり、緊急 かつ一時的な生計維持のための貸付を必要とする世帯」です。
保証人は不要で、無利子で借りることができ、金額は10万円以内です。据置期間(返済が猶予される期間)は1年間、償還期限(返済開始から返済終了間までの期間)は2年間です。つまり最初の1年は返済しなくていいということです。
さらに失業などで生活の立て直しが必要な場合は、「総合支援基金」として当面の生活に必要な資金を借りることができます。金額は月20万円以内(2人以上の世帯)または月15万円以内(単身世帯)で、期間は最大3ヶ月です。こちらも据置期間は1年、償還期限は10年です。
また事情により返済が難しい場合には、返済の猶予や免除も申請することが可能です。
地域の社会福祉協議会で申し込むことができます。
詳しくは全国社会福祉協議会のホームページまたは厚労省のパンフレット(PDF)をご覧ください。
クレジットカードなどで借りてしまうと高い利子がつきますので、どうしても緊急にお金の必要な方は、このような公的な貸付を利用しましょう。
おわりに
危機はいつやってくるかわかりません。いま困ってる人も困っていない人も余力を積み上げていくことが大切です。人と比べてどうこうではなく、昨日よりも今日、今日よりも明日です。三歩進んで二歩下る、でいいんです。
先は長いかもしれません。本当の危機がやってくるかもしれません。
We are all in this together.
心を一つにしてこの困難を乗り越えましょう。
ではまた〜。