オーストラリア南西部はワイルドフラワーの名所として知られています。パース滞在中に1日バスツアーに参加し、パースの北のエリアを中心にワイルドフラワーを観賞してきました。
ブッシュに分け入ると、乾燥した大地にスパイダーオーキッド、ドンキーオーキッド、イエローカウスリップオーキッドなどの地生ラン、カンガルーポーやキャッツポー、ほかにもさまざまな植物が花を咲かせているのを見つけることができます。
目次
ワイルドフラワー1日バスツアー
本当は車でワイルドフラワーの咲くポイントをめぐることができればそれが一番なのですが、車の運転に自信がないのでどうしようかと思っていたところ、Casey Toursというパースのツアー会社が運営するワイルドフラワーツアーを発見し、今回はそれにあわせて旅行の計画をたてました。
料金は99ドル。難点は催行日が少ないことですが、パースのツアーのなかでは比較的安めのほうだと思います。人数をまとめることで料金をおさえているのでしょう。
集合時間は朝8時半、夕方まで1日かけて、大きなトイレ付きのバスでパースの北部をまわります。ガイドさんと運転手さんの2名体制です。
休憩は、午前のコーヒータイムと昼食タイムがあり、運転手さんが用意してくれます。
バスは6ヶ所で停車しました。藪の中を歩くので、動きやすい服装で行ったほうがいいと思います。帽子やサングラスもあったほうがいいでしょう。
パース近郊で見られるワイルドフラワー
バスツアーではたくさんのワイルドフラワーを見ることができましたが、そのなかから一部をご紹介します。
スパイダーオーキッド(カラデニア)
カラデニア(caladenia longicauda)。コモンネームはホワイトスパイダーオーキッド。世界らん展などで見たことがありますが、こういう乾燥したところに咲くものなんですね。薮のあちらこちらに咲いていました。芸術的なフォルムですね。
カウスリップオーキッド(カラデニア・フラヴァ)
こちらもカラデニア(Caladenia flava)。コモンネームはカウスリップオーキッド。カウスリップというのはイギリスに行くとよく見かける黄色いプリムラ(primla veris)のことです。1810年にイギリス人の植物学者ロバート・ブラウン(Robert Brown)が初めて分類・命名したそうです。木陰にひっそりと咲くこの花を見つけて「おおこの黄色い小さな花はカウスリップにそっくりだ」と思ったんでしょうね。これは比較的見つけやすいです。
ジャグオーキッド(プテロスティリス)
これはきちんと咲ききっていないスパイダーオーキッドかと思っていたのですが、プテロスティリス(Pterostylis)のようです。これも世界らん展とか奇跡の星の植物館で見たことがある気がします。風に揺れてるので写真がボケボケですけど。水差しに似ていることから、コモンネームはジャグオーキッドというそうです。これは一つしか見ませんでした。
ドンキーオーキッド(ディウリス)
これも不思議な花ですね。初めて見ました。ロバ(ドンキー)に似ているので、ドンキーオーキッドと呼ばれています。学名はDiuris corymbosaです。うーん、ロバに似てるかな〜。でも耳が生えている何か、には見えますけども。これは、あっちこっちに咲いていました。
フリンジリリー(シザノタス)
フリンジリリー(シザノタス)。学名はThysanotsu tuberosusです。エルビス・プレスリー並みのふっさふさのフリンジですな。きれいな紫色です。これは一つしか見ませんでした。
コットンヘッド(コノスティリス)
これはキングスパークでもたくさん見かけました。コットンヘッド(コノスティリス)だと思います。学名はConostylisなんとか。わかりません。黄色がほわほわしていてかわいいです。
イソポゴン
イソポゴン(isopogon)だと思います。きれいなのにウルトラマンに出てくる怪獣みたいな名前ですね。イソポゴンでもどの品種かがわかりませんが、イソポゴン・プロフュージョンというのが日本でも売っているようですね。乾燥に強そうですからベランダ向きでしょうか。
上の写真の手前に生えているのもイソポゴンのようです。こんな感じでブッシュのなかに入ってワイルドフラワーを探します。
ツアー参加者は地元の人もいれば、海外からきた人もいて、わたしの隣の席は、40年前に南アフリカから移住してきたというおばあさんでした。南アフリカにもいつか行ってみたいと思っているので、いろいろ教えてもらいました。
キャッツポー(アニゴザントス・フミリス)
砂利のなかに咲く、ど根性キャッツポー(anigozanthos humilis)。猫の手に見える、かな? 小さくてとてもかわいいです。
カンガルーポー(アニゴザントス)
もちろんカンガルーポーも生えています。カンガルーポーのほうが見つけやすいです。
ほかにもさまざまな種類の花を見ました。ただ一面の花畑は、もっと北のほうに行かないと見られないそうです。
生きた化石グラスツリー
はてこれは・・・、ユッカ的な何か。ザンソロエア・オーストラリス(Xanthorrhoea australis)、別名グラスツリーのまだ小さいのでしょうか? かっこいいですね。小さいのに花が上がっているんでしょうか。
幹高1mで約40~50年ほどかかるため非常に高価です。尚、高さが幹高程度の株で10~15万円程度します。
ほほう。
これは確かにグラスツリーですよね。このサイズだと、おいくら万円でしょうか?
ガイドさんが「あれはパームツリーじゃありません。非常に貴重でうんぬんかんぬん」と説明していましたが、聞き流していました。高価ときくと興味が出てきますな・・・。ただ日本で庭に植えるものではないですね。現地にあってこそ。
オーストラリアは山火事が多く、山火事があると下の枯れている葉っぱが焼けて肌が黒くなります。このためブラックボーイという別名もあるそうです。
かつてはこれが国立公園内だけでなく、いたるところに生えていたんでしょう。しかも、たぶんもっと大きなのが。非常に貴重ですね。
バスツアーに関する情報
ツアー会社のホームページ:Casey Australia Tours
この会社は、数日間の宿泊付きバスツアーがメインで、1日バスツアーの催行日はあまり多くありません。
わたしが参加したツアーはNorthern Wildflower Day Tour from Perthで、1日のみの催行でした。
車で自力で行くなら
自分で車を運転して行く場合、ガイドさんのいるバスツアーの場合とちがって、自分でワイルドフラワーの咲いている場所を探さなければなりません。バスツアーは、ワイルドフラワーを見つけやすいスポットに案内してもらえるというメリットがあります。車で行く人は事前に情報を収集しておきましょう。
カンタス空港によるワイルドフラワー情報
植物について予習できる本
Casey Toursのバスツアーでは、バスのなかでワイルドフラワーが載っている本を配布しています。持ち帰りたい場合は10ドルです。わたしは購入してきたので、あとからそれで花の名前を確認しています。自力で行く場合は下の本のようなものが1冊あるといいかもしれないですね。