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新型コロナウイルスの感染を防ぐには。高齢者・持病のある方は特に注意を

コロナウイルス

新型コロナウイルスの症状、中国および日本の状況、免疫の仕組み、予防のためにできることなど、新型コロナウイルスの理解と感染予防に役立つ情報をまとめました。画像はコロナウイルス(CDC提供:パブリックドメイン)。

前半は新型コロナウイルスの現状と症状のまとめ、後半は予防対策になります(長くなってしまったので目次をクリックしてください)。1月28日に記事作成し、その後追記しています。新しい情報と古い情報が混在していますのでご容赦ください。

 

現在の情報まとめ

新型コロナウイルスに関する情報を追記・更新します。

世界の感染者・死者数(3月29日)

感染者 61万8043人 

死者 2万8823人 回復者 13万5736万人

出典:米国ジョンズ・ホプキンス大学のまとめページ(英語)

 

日本および世界の状況

日本国内の感染者1724人(クルーズ船を除く)、死者55人

2月15日以降は重要ニュースのみに絞ります。

3月11日

  • WHOがパンデミックを宣言。

2月26日

  • 北海道で高齢者1名死亡。クルーズ船以外で2人目。

2月24日

  • 日本政府感染症専門家会議「ここ1、2週間が(感染拡大抑制の)瀬戸際」。

2月23日

  • 韓国の宗教施設で大規模感染。イランで感染者・死者急増(致死率が異常に高い)。韓国、イラン、イタリアが新たなホットスポットに。

2月18日

  • クルーズ船乗客2名死亡。いずれも80代。

2月15日

  • 和歌山県の病院で同僚医師1名感染確認。院内感染の疑い。
  • 日本人12名の感染を確認。うち東京8名。

2月14日

  • 愛知60代男性、北海道50代男性、第3便帰国者1名、沖縄60代女性タクシー運転手など、合計8名の感染確認。
  • クルーズ船、10名が重症。

2月13日

  • 国内初の死者。神奈川県の80代女性死亡。タクシー運転手の義母。
  • 東京都のタクシー運転手の感染確認(70代男性)。
  • クルーズ船新たに44名の感染確認。計218人に。
  • 和歌山県の50代男性医師の感染確認。
  • 千葉の20代男性の感染確認。都内通勤。

2月11日

  • チャーター機帰国組から新たに2名の感染確認。うち1名(40代男性)は1月30日に帰国後、宿泊施設に滞在せずに埼玉の自宅に帰宅。8日に39.5度の発熱、10日に肺炎の兆候。
  • クルーズ船、検疫官含む40名の感染確認。

2月10日

  • クルーズ船で新たに65名の感染確認。

2月9日

  • クルーズ船で新たに6名の感染確認。

2月8日

  • 武漢で入院の日本人(60代男性)死亡。
  • クルーズ船で新たに3名の感染を確認。
  • 第4便の20代男性の感染を確認。
  • 日本人初感染の奈良のバス運転手(60代男性)が治療が終了して退院と発表。

2月7日

  • クルーズ船で新たに41名感染確認。
  • 12月末に警告を発して当局から戒告を受けた武漢中央病院の眼科医師が死亡(34歳)。

2月6日

  • クルーズ船で新たに10名の感染を確認。これで102名分の結果が判明し、20名の感染を確認。

2月5日

  • クルーズ船乗客の273名から検体を採取。31名分の結果が判明し、10名の感染を確認(うち日本人は3名)。
  • 京都20代男性の感染確認(中国渡航歴なし)、千葉で40代の中国人男性の感染確認。

2月4日

  • 前日横浜港に入港したクルーズ船乗客のうち風邪症状のある者および濃厚接触者のウイルス検査を実施。
  • 香港で初の死者(39歳男性)。中国本土以外で2人目。
  • チャーター便帰国者から新たに1名の感染を確認。ほか2名(湖北省出身者)の感染を確認。感染者23人に。

2月3日

  • 1月29日に第1便で帰国し、感染が確認されていたが無症状だった40代男性が発熱。
  • 感染者(香港で下船)が乗船していたクルーズ船が横浜港に入港。3700人乗船。検疫を実施。

2月2日

  • 中国以外で初の死者。武漢から21日にフィリピンに入国した中国人男性(44歳)が肺炎を発症し死亡。同行の中国人女性から感染。軽快の兆しを見せていたが死亡当日に急変。

2月1日

  • 米国が国家緊急事態宣言。14日以内に中国訪問歴のある外国人の入国を拒否。
  • 新たに感染者3名。うち1名は第1便の乗客で再検査で陽性に。

1月31日

  • WHOが「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言。
  • 日本政府、感染症法上の「指定感染症」とする政令の施行期日を2月7日から同1日へ前倒しする方針を決定。これにより感染者の強制入院が可能に。
  • 第3便149名到着。うち2名が感染確認。
  • 第2便乗客から2名の感染確認。30代と50代の男性。症状なし。
  • 千葉で女性1名の感染確認。20代、ツアーガイド。せき、鼻水。バス運転手からの3次感染。

1月30日

  • 昨日帰国した206名のうち3名の感染を確認。うち2名は無症状。さらにホテル待機中の2名の感染を確認。
  • 東京で女性1名、三重県で男性1名、京都市で女性1名の感染を確認。
  • 第2便到着。 搭乗予定者のうち、事前検査で発熱などの症状があった2名が搭乗しなかった。第2便210名のうち26名が入院。

1月29日

  • 奈良で女性1名の感染を確認。ツアー会社バスガイド、40代。運転手から感染した模様。
  • 武漢から第1便が到着。

1月28日

  • 奈良で男性1名の感染を確認。ツアー会社バス運転手、60代。武漢からのツアー客から感染した模様。

 

新型コロナウイルスの重症化率・致死率

現時点では、感染者(確定)の約20%が重症化するとされています(WHO1月28日付報告書)。また致死率は3%前後とされています。まだ感染拡大の初期段階なので、いずれの数字も今後変動する可能性が大いにあります。

1月31日時点での中国での確定感染者数から致死率を導き出すと約2%になります。ただしこれは年齢を考慮していませんので、高齢者だけで見るともっと高い数字になるものと思われます。

初期感染者41名について調査したLANCETの論文(英語)では、確定感染者の致死率は15%となっています。感染者の平均年齢は49歳。既往症のある人の割合は32%です。

ただしこの41名には武漢の海鮮市場関係者が含まれており、感染拡大のごく初期段階であるため症状が悪化してから入院したことが推測でき、致死率については高く出ている可能性があります。

過去に流行したSARSコロナウイルスの致死率は10%、MERSコロナウイルスは37%です(上記論文データ)。

(2月15日追記)WHOは、82%の人は軽い症状ですむものの、15%が重症、3%が命に関わる症状になるとしています。

現時点では、武漢を除いた場合の致死率は0.2%から0.4%です。武漢では無症状者や軽症者が把握できなかったため、いわば「氷山の一角」しか数字に出ておらず、致死率が高くなっています。また中国の情報はどこまで正確なのかわかりません。

季節性インフルエンザの致死率は平均0.1%ですので、これでもインフルエンザより2倍から4倍は死者が多くなることになります。

(3月29日追記)イタリアその他の国々で医療崩壊が起きています。イタリアは今日現在の致死率は10.5%です。日本は3.1%。LANCETの最初の論文が、医療崩壊が起きた場合の致死率を的確に警告していたことがわかります。医療の整っていない国ではもっと高い数字になるかもしれません。日本ももう余裕がなくなってきているので、不要不急の外出を控えましょう。

 

新型コロナウイルス国内感染者の回復状況

1月31日現在、下記のように国内発生の感染者は軽症で推移しているようです。これは安心できる材料です。サンプル数が少なすぎるという問題はありますが、現段階では、中国のように20%が重症化するという状況ではないようです。日本の医療の質が高いためだと思います。

中国では院内感染が起きているので、ここが大きな違いになっているのではないかと推測します。

上記感染者の年齢等の内訳は、厚生労働省発表資料で見られます。60代以上は1名のみです。

次に2月2日の状況。軽快者が増えたものの、29日に第1便で帰国し、無症状だった感染者が発熱し、治療中になりました。感染時期が不明ですが症状が出るまでに少なくとも5日間かかっており潜伏期間が長いことを示唆します。

2月8日に奈良のバスの運転手さん(60代)が回復して退院されたと発表されました。運転手さんから感染したバスガイドさんもすでに退院。

2月13日、国内初の死者が出てしまいました。神奈川県の80代の女性の方です。同日に20代男性の感染および発症(肺炎)も確認されました。若い人も要注意です。

2月20日、クルーズ船の死者2名。国内でも感染者が増えてきました。医療の受け皿の拡大が急がれます。

感染者および発症者数をデータとして拾うことは、感染拡大の状況把握や予測には役立ちますが、個人の対策としては周囲に感染者がいるものと考えたほうがいい段階に入っています。

お出かけや会食を控えて、風邪症状のある家族がいる場合には、家庭内でも感染予防をしましょう(タオルを共有しない、一緒に食事しない、マスクをつける、部屋を分ける、トイレ使用後は必ず手を洗う、部屋のドアを閉める、外気で換気など)。

 

新型コロナウイルスの症状

  • 発熱
  • せき
  • 筋肉痛または疲労感
  • 頭痛
  • 呼吸困難

このうち特に顕著なのが、発熱、せき、筋肉痛または疲労感、呼吸困難です。

発熱は、上記のLANCETの論文では全患者の98%に見られます。咳は76%、筋肉痛または疲労感は44%です。その後、55%が呼吸困難を訴えるようになりました。

ただし感染しても症状が出ない人もいると言われています。また上記の初期患者群は、発熱などの割合が高く出ている可能性があります。

現時点では抗ウイルス薬などの治療法はなく、免疫の働きで治すしかありません。免疫が敗北すれば、重篤な肺炎(重症急性呼吸器症候群)に進行します。

(2月15日追記)発症初期に解熱剤を飲むと、かえって長引く可能性があります。発熱は免疫反応なので、体温が上がるとウイルスの増殖は抑制されます。ビタミンと水分をたっぷり摂取し、暖かい部屋で寝ていたほうがいいです。

ただし熱が高すぎる場合には身体に負担が大きいので(とくに心臓が弱い人)、熱が下がらないようなら保健所・医療機関等に電話で相談しましょう。

第2便で帰国し、埼玉県の自宅に帰っていた人も、39.5度の発熱後に解熱剤を飲み、いったんは熱が下がったものの、その後肺炎像を認め、再び発熱しています。新型コロナウイルスに関連した患者の発生について(24例目)

感染予防が第一に重要ですが、感染してしまったら栄養をとって寝ているしかありません。栄養補給できるゼリー飲料やビタミン飲料などを用意しておくといいでしょう。

このウイルスは上気道ではなく肺胞に定着する傾向があることがわかってきました(だからウイルス検査に出にくい)。高熱が出た段階では、とくに呼吸困難(息苦しさ)を訴える場合、すでに肺炎になりかかっている可能性があります。初発の倦怠感や微熱が出てきた段階で安静にして、免疫の働きでウイルスの増殖を抑えることが重要です。

また高齢者など体力のない人は発熱する力が弱く、感染を見過ごしてしまいがちなので、高齢者施設はとくに注意が必要です。ウイルスの持ち込みにかなり用心しないと、連鎖的感染が起きる恐れがあると思います。職員および調理担当の感染にも気をつけましょう。

先に胃腸症状が出るケースも多いようです。食欲不振や下痢にも気をつけましょう。

 

新型コロナウイルスの発症後タイムライン

下記はLANCETに発表された発症後のタイムラインです(オリジナルはこちら)。

数字は発症時(発熱98%、せき75%、筋肉痛または疲労感44%、その他)からの日数(中央値)。

7日目に入院、8日目に呼吸困難、9日目にARDS(急性呼吸窮迫症候群)、10.5日目にICU。発症から7日目以降に急激に悪化することがわかります。中央値なので高齢者などはもっと早い可能性があります。

感染から発症までに、最大14日といわれる潜伏期間があります(もっと長いかもしれないです)。少しでも体調不良を感じたら、念のために無理をしないようにしましょう。万が一感染していた場合には、上記のようなタイムラインをたどる可能性があります。

風邪症状があるのに無理して旅行したりすると、1週間後に家に帰ってきたときには、入院しなければいけない状態になっているかもしれないのです。しかもこの間に他人にウイルスをバラまいてしまいます。

感染しても約8割の人が無症状または軽症ですむと言われています。その8割に入れるかどうかは、あなたしだい(ビシッ!)。

ただし、感染しても体力があるから大丈夫と思うのは危険です。できるかぎりの予防をしましょう。

 

サッカーでイメージする免疫の働き

免疫には「自然免疫」「獲得免疫」という2系統があります。

  • 自然免疫(生まれつき持っている免疫。細胞性免疫ともいう。第1の壁)
  • 獲得免疫(抗体を中心とした、病原体に接触後に獲得される免疫。液性免疫ともいう。第2の壁)

病原体が体内に侵入すると、まず自然免疫の細胞たちがこれに立ち向かいます。ディフェンダーですね。

次の獲得免疫はゴールキーパーです。抗体を中心とした強力な防御壁で、ここを突破されると発病します。

しかし今回の新型コロナウイルスは、野生動物を宿主としていたコロナウイルスが変異してヒトに感染する能力を獲得したものであるため、現段階では人間は抗体を持っていません。ワクチンもありません。

抗体が体内で作られ、獲得免疫が働くようになるまで、「ゴールキーパーが不在でディフェンダーだけで戦っている状態」が生じてしまうのです。ここが他の病原体との大きな違いです。

新型コロナウイルスに特異的に有効な治療薬は現在のところないため、酸素吸入や点滴などの対症療法をしながら、免疫の力でウイルスが体外に排出されるまで待つしかありません。

 

インフルエンザとの比較

鳥インフルエンザの変異型である「スペイン風邪」(1919年)では、世界中で5億人が感染し、少なくとも5000万人が死亡したと言われています。日本では、当時の人口5500万人に対し、39万人が死亡しました。

まだ新型コロナウイルスに関しては、現段階では不明な点が多いので、スペイン風邪のような事態になるともならないとも言えません。確実なことは、中国では大規模な感染が起きており、日本で感染を拡大させてはならないということです。

また「インフルエンザに1000万人感染して1万人死んでいるのだから、新型コロナウイルスで大騒ぎするな」というのは間違いです。通常のインフルエンザは新型ウイルスではありません。

新型コロナウイルスの場合、現在の重症化率(確定患者中)は中国政府発表のデータで20%と非常に高いです。仮にインフルエンザのように1000万人が感染したら、200万人が重症化することになります。

米国政府は緊急事態宣言を出しました。記者会見では次のように専門家が述べています。「現在インフルエンザが流行し、多くの死者を出しているが、これはいずれ終息することが確実である。しかしこの新型コロナウイルスについてはまったく予測がつかない」。

 

高齢者、持病のある人は厳重注意

高齢者および以下の慢性疾患のある人は、感染した場合に重篤化する可能性が高いと言われており、万が一のために予防の備えをする必要があります。

とくに高リスクとされているのは、糖尿病、心臓病、高血圧、呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など)のある高齢者です。免疫を抑制する薬を服用している人も高リスクです。

ただし健康な人も安心できるわけではなく、初期に死亡した36歳の男性には、既往症はありませんでした。

体力に自信のある人でも家族や他人に感染させないために予防は必要です。

(2月4日追記)当初の「死亡するのは主に高齢者」という報道と異なり、フィリピンで死亡した男性は44歳、香港で死亡した男性は39歳(糖尿病あり)、武漢市の眼科医師は34歳です。若い人も注意が必要です。

 

子どもは?妊婦は?

SARSコロナウイルスやMERSコロナウイルスは、子どもは発症しにくいのが特徴でした(国立感染症研究所・感染症疫学センター)。新型コロナウイルスも同じかどうかは現段階では断言できません。

ただ子どもは感染しても軽症で治ってしまう可能性があるため、子どもから高齢者が感染してしまうケースが危惧されます。また中国では乳児の感染例も出ていますので、油断しないようにしましょう。

妊婦さんも妊娠継続に影響がないよう十分に注意しましょう。妊娠中は、免疫が胎児を異物とみなして攻撃しないようにするため、免疫が抑制された状態になっています。現時点でははっきりとしたことは言えませんが、発症リスクが高い可能性があります。

中国武漢での出産例(6例)では胎内感染がなかったことがわかっています。ただし、いずれの例も産道感染を防ぐために帝王切開しています。

 

新型コロナウイルスを予防する

ふだんからインフルエンザ予防を心がけている方には常識のことばかりだと思います。インフルエンザ対策をより厳重にやるイメージです。逆に言えば、ほかにできることがありません・・・。

 

マスクの選び方

外出時に使用するマスクを用意しましょう。ただし買い占めはダメ!

マスクは「PFE基準クリア」や「ウイルスをキャッチ」などと表示されたマスクを購入しましょう。PFE基準とは、0.1μmの粒子を95%以上キャッチできるマスクの基準です。その下のVFE基準は0.1~5.0µm(平均2.8μm)です。

コロナウイルスは、小さなもので 0.1~ 0.3μm(マイクロメートル)です(外務省海外安全ホームページ「感染症情報」による)。非常に小さいウイルスであるため、この基準を満たさないマスクではすり抜けてしまう可能性があります。

ただし市販されているマスクには、95%キャッチできないものも多くあるそうです。マスクをつけているからと安心しないようにしましょう。実際には隙間ができるためにウイルスのキャッチ率はこれよりも低くなりますが、口周りを無意識に触ってしまうことが防げるため、それだけでも効果があります。他人に移さないためにも重要です。

重要なのは、頰との間に隙間ができないように着用することです。隙間が空いていると、そこからウイルスを含む飛沫が入ってしまいます。サイズがいろいろあるので、ぴったり着用できるものを購入しましょう。

またマスクを外すときはマスクの外側に触らないようにして、すぐに廃棄しましょう。

(3月30日追記)これまでマスクをする習慣のなかった国でもマスク着用が広がっています。チェコは3月17日から外出時のマスク着用を義務化しました。不織布が入手できないので、布の手作りマスクです。全国の有志がミシンでマスクを製作し、わずか数日でみんなマスク姿になったそうです。

「わたしのマスクがあなたを守る。あなたのマスクがわたしを守る」

チェコのマスク手作り運動のスローガンです。無症状でもウイルスを排出している可能性があります。各自がマスクをすれば、それが全体を守ることになるのです。

 

目、鼻、口に触らない

ウイルスは粘膜から侵入するため、目、鼻、口に触らないことが重要です。顔に触るときは手をよく洗ってからにしましょう。とくにマスクでカバーできない目に触らないように気をつけましょう。

メガネは、しないよりはマシ程度でしょう。ゴーグルのような防護効果はありません。風邪症状のある人と接触した後にはメガネもよく洗いましょう。

日本でも感染が拡大してきたら、目からの飛沫侵入を防ぐためにゴーグルの着用も視野に入れる必要があるかもしれません(とくに医療・介護現場)。

 

石鹸を使ってこまめに手を洗う

石鹸を使用して念入りに洗えば(最低20秒)、手に付着したコロナウイルスを取り除くことができます。

また手など皮膚の消毒には消毒用アルコール(70%)、モノの表面の消毒には次亜塩素酸ナトリウム(0.1%)が有効です(厚生労働省ホームページ)。

外から帰ってきたら手を石鹸でよく洗い、うがい薬でうがいをしましょう。

タオルは家族と共用しないようにしたほうが安心です。自分は顔を洗った後はいつもティッシュで拭いています。

高齢者など高リスクな人が家族にいる場合は、服を着替えてシャワーを浴びてしまったほうがいいかもしれません。

ウイルスに効くらしい薬用ハンドソープ。昨日買ってきました。けっこう脂分をとる感じがあります。荒れるほどじゃないですが石鹸でも十分です。皮膚は第一のバリアです。手荒れなどで手に傷がある人は、傷口からウイルスが入らないように気をつけてください。

 

トイレに注意

SARSコロナウイルスのデータでは、便および尿中のウイルスは、室温で最低1〜2日間生存していました。とくに下痢症状の患者の便では、ウイルスは最高4日まで生存していました(感染症情報センター)。

また中国保健当局も、肺炎を発症した患者の便中には、新型コロナウイルスのウイルス核酸が存在する、と報告しています。

水洗トイレは水を流した後にエアロゾル(空気中に浮遊する微小な液体の粒子)が発生するので、便座や周囲にウイルスが付着している可能性があります。流すときは、トイレのふたを閉じてから流しましょう。

外出先でトイレを使用した後は念入りに手を洗い、顔を触らないようにしましょう。とくに人が多い場所や観光地のトイレは気をつけましょう。

またハンドドライヤーは不衛生だと言われているので使わないほうがいいです。

中国では、つまりを防ぐために水洗トイレにトイレットペーパーを流さずにゴミ箱に捨てるところが多いので、もしかしたらこれが爆発的な感染拡大の原因の一つかもしれません。

 

人混みに行かない

できるだけ人混みを避け、感染者と接触する機会を減らしましょう。くしゃみをすると200万個のウイルスが1.5メートルも飛ぶといわれています。せきは10万個です。風邪症状のある人には近づかないこと!症状のある人も出歩かないこと!

中国からの観光客が減少するまで、高リスクの人は、念のため観光地には行かないほうがいいと思います。経済には打撃ですが、この非常時ですからしかたありません。

潜伏期間が最大で14日ほどあるため、現在来日中の観光客から感染した人の症状が出てくるのは、2月半ば頃と思われます。

さまざまな予測が発表されてはいるものの正確な感染力が現時点では不明なので、その頃にどの程度感染者が発生するのかはまだ予測できません。

人混みに行かざるを得ない場合には、マスクを着用し、エレベーターのボタンや電車のつり革など不特定多数の人が触るものに素手で触れないようにして、こまめに手を消毒しましょう。

手ピカジェルの強力タイプ。エタノールを76.9-81.4%含有しており効きそうです。300mlのを昨日買ってきました。携帯用のもあるのですが売ってませんでした。

除菌用ウェットティッシュは、ウイルス除去をうたっていないものはアルコールの含有率が少なそうなので、こういうジェルのほうがベターかも。両方あってもいいですね。アルコールの入っていない、水だけのウェットティッシュではウイルスを殺せません。

ウェットティッシュは信頼しすぎないほうがいいです。手を石鹸でしっかり洗い、物理的に洗い流すのが一番です。

 

持病の薬は多めに確保

ウイルス性疾患が流行しているときは病院に近づかないほうが安全です。上記の高リスク疾患で定期的に通院している人も多いと思いますが、今後しばらくは注意しましょう。普段から持病の薬を多めに確保しておくと安心です。

現在のところ、新型コロナウイルスの基礎再生産数(1人から感染する人数)は3〜5と推定されています。

武漢における12月の患者はわずか40人ほどです。それが1ヶ月で都市を封鎖しなければならないほど拡大するということは、中国の衛生状態が悪いことが原因の1つだとは思いますが、感染力が強いことが示唆されます。

薬などの物流にも今後影響が出てくるかもしれないので、薬が必要な持病のある方は、念のために、薬を多めに確保しておきましょう。

(追記)慢性疾患の薬の処方に関して、25日に発表された政府の基本方針案において、下記のように決定しました。

風邪症状がない高齢者や基礎疾患を有する者等に対する継続的な医療・投薬等については、感染防止の観点から、電話による診療等により処方箋を発行するなど、極力、医療機関を受診しなくてもよい体 制をあらかじめ構築する。新型コロナウイルス感染症対策基本方針

基本方針を受けて2月28日に厚生労働省より通達(『新型コロナウイルス感染症患者の増加に際しての電話や情報通信機器を用いた診療や 処方箋の取扱いについて』)が出ています。慢性疾患に対する継続的な処方箋の発行が対象です。

 

おわりに

本日(1月28日)、初の日本人感染者(奈良のバス運転手さん)が出てしまいました。武漢に渡航歴がないため、日本国内でヒトヒト感染が起きていることが確定しました。

バス運転手さんはマスクは着用していたそうです。このことからもマスクでは完全には防げないことがわかります。バスのような換気の悪い空間では、とくに感染リスクが高くなります。重症化しないことを願います(追記:2月8日退院されたと発表されました!よかった!)。

園芸ブログなのに、なんでコロナウイルスについて書いているのか、という感じですけども、今後どうなるかわからない状況ですので、危機感を持って予防に取り組むことが重要です。

一人ひとりが予防に取り組むことが、全体の感染者を減らすことにつながります。大したことがなければ、よかったよかった、で。

うちは祖母が肺炎で他界しており、高齢の両親も持病がありますし、自分も免疫がポンコツなので、早く終息してほしいと思います。

日本チーム一丸となって感染拡大を防ぎましょう。

ではまた。

 

(追記)もしものときのための準備

WHOの専門家は人口の3分の2がこのウイルスに感染する可能性もあると試算しています(新型コロナウイルス、世界の3分の2が感染する可能性も-専門家)。

感染しないですむ3分の1に入れるか、感染しても軽い症状ですむ8割に入れるか、これはどれだけ予防に取り組めるか、症状が出てきたときにすぐに安静にできるかにかかっています。

食料、栄養ドリンク、ビタミン剤、衛生用品、氷枕など、もしものときのために準備しておきましょう。

食べられないときのビタミン・栄養補給に。

身体は温めるのが基本ですが、熱が高すぎるときは頭は冷やしたほうがいいです。

下記のNHKの新型コロナウイルス特設サイトはよくまとまっています。ここ1、2週間が瀬戸際だと専門家が言っています。心の準備のために読んでおきましょう。

特設サイト「新型コロナウイルス」NHK

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