映画『ブーリン家の姉妹』でナタリー・ポートマンが演じたアン・ブーリン。彼女が幼少期を過ごしたヒーバー城にあるテューダー様式のコテージは、現在ベッド&ブレックファストになっています。
コテージに宿泊してガーデンを散策してみませんか。2015年6月に訪問したときの様子をご紹介します。
目次
ヒーバー城の歴史
ヒーバー城はヘンリー8世の2番目の妃アン・ブーリンが幼少期を過ごしたことで有名なお城です。
城が建てられたのは13世紀。ブーリン家は1462年からヒーバー城を所有していました。
アンは1501年に生まれ、1513年までここで過ごしたそうです(父のトマス・ブーリンが城を相続したのは1505年のことなので、アン・ブーリンがここで生まれたかどうかははっきりしていません)。
アン・ブーリンはイギリスの歴史において非常に重要な女性です。
ヘンリー8世に見初められたアンは、王の愛人ではなく正式な結婚を望みました。
ところがカトリック教会がヘンリー8世と最初の王妃キャサリン・オブ・アラゴンとの離婚を認めなかったために、ヘンリー8世はローマ教皇と対立。
その結果イングランド国教会が誕生することになったのです。
アンは結婚から5ヶ月後に女の子を生みますが、ヘンリー8世の望んだ男子を生むことはできませんでした。
そのため結婚から3年後には、不貞の罪を着せられて処刑されてしまいます。このアンが生んだ女の子がエリザベス1世です。
中庭ではヘンリー8世が観光客をお出迎えしてくれます。城のなかもぜひ見学してください。
ヒーバー城の現在 Hever Castle Luxury Bed&Breakfast
ヒーバー城は、その後20世紀初頭にアメリカの大富豪ウィリアム・ウォルドルフ・アスターが購入して修復を行い、イタリアンガーデンや人造湖を整備し、テューダー様式のコテージを建築しました。
そして現在、このコテージは宿泊施設になっており、誰でも泊まることができます。
宿泊者は一般の見学者がいなくなったあとの静かな庭をゆっくりと散策できます。ヒーバー城の入場券(16.50ポンド)も含まれています。
お城の横にある、この建物がベッドアンドブレックファストになっています。
ヒーバー城の見所
ヒーバー城はとにかく敷地が広いです。少なくとも半日はほしいですね。見所をご紹介します。
城
アン・ブーリンやヘンリー8世に関するものが展示されています。内部は写真撮影できません。
アン・ブーリンの部屋には彼女が愛用していた美しい祈祷書が展示されています。
シャクナゲの道
城の前の広場からまっすぐ西洋シャクナゲの道「ロドデンドロン・ウォーク」が延びています。
両側には壁のように大きなシャクナゲが紫色の花を咲かせ、前には石造りの階段、後ろには中世の門楼が見え、まるで絵画のようです。
細い道なため日陰になるのですが、この陰影感というのでしょうか、イギリスは日陰がきれいって表現、伝わるでしょうか。
またこの時期イギリスに来るとシャクナゲの大きさにびっくりします。
シャクナゲの道をとおって、下に降りたところの道には、日陰なのでシダやギボウシなどが植えられていて、ここもすてきでした。
イタリアンガーデン
20世紀初頭にウィリアム・ウォルドルフ・アスターがヒーバー城を購入し、1904年から1908年にかけてこのイタリアンガーデンを造成しました。
ウィリアム・ウォルドルフ・アスター自身が、1905年にイタリアから運んできたという彫刻があちこちに置かれています。いくつかは2000年前のものだそうです(本当?)。雨ざらしでいいんですかね。
アスター家は「アメリカ最初の貴族」と言われるほどの大富豪一族で、ニューヨークの有名ホテル「ウォルドルフ・アストリア」もウィリアム・ウォルドルフ・アスターが建てたものです。お城の内部にアスター家に関する展示もあります。
彫刻の見せ方がうまいですね。これから人間たちにいたずらしてやろうと、しげみの陰からようすをうかがう妖精、みたいな。
ただあまりにも広いので、全体でみると花のボリュームは少ない感じでした。でもこのエリアは手入れが行き届いています。
バラ園
バラ園のバラは、まだ一部しか咲いていませんでした。ほかのところでは咲いてるので、このバラ園のなかだけ少し遅いのでしょうか?
園芸店
かわいい園芸店があります。イギリスの園芸店ってなんでこんなにかわいいんでしょうか。やっぱりレンガでしょうかね。
でもって植物を置く台が、かならずアクセントになるきれいな色に塗ってありますね。ペパーミントグリーンとか薄いブルーとか。
イギリスはセンペルもいい色になるんですよね。日本と気候が違いますからね。
水の迷路
迷路みたいになっていて、水が下からピューっと出てきます。お子様に大人気。みんなビチャビチャ。
ジャパニーズ・ティールーム
なんかちょっと違う感じがするんですが、日本の茶室らしいです。
その他
アスター家に飼われていた歴代のわんちゃんたちのお墓。庭の片隅で城を静かに見守っています。うちの犬を思い出して、ぐっときました。ペットの歴史は家族の歴史でもある。
天気も良かったので歩いているだけで気持ちよく、「よし湖を一周だ!」と思ったら、茶室から向こうは、営業時間が終了したら閉めてしまうそうでダメでした。
人がいない時間に事故でも起きたら大変ですからね。トータルで5時間くらい歩き回っていましたが、まったく飽きませんでした。お庭を独り占めです。
ベッド&ブレックファスト
ベッドアンドブレックファストのお部屋です。こちらはダブルの一番安い部屋だと思います。バスタブがなくシャワーのみですが、バスルームもおしゃれでした。
ベッドルームのほかに、デスクの置かれた小さい部屋が付いていました。窓からお城が見えて、たいへん雰囲気がいいです。イギリスのよい思い出になるんじゃないでしょうか。
朝食はこちらで。
欠点は夕食がとれる場所がないことで、近くにパブが1軒あるのみです。
お城内のカフェは、城の営業終了時間30分前まで営業しています(ホットフードは12時から3時のみ)。
ヒーバー城への行き方
ヒーバー城は、ロンドンから電車で約1時間のケント州ヒーバーにあります。
ヒーバーにも駅がありますが、ヒーバー駅から歩くと25分かかるそうです。
私は、荷物があるため近くのエデンブリッジタウン(Edenbridge Town)という駅からタクシーに乗って行きました。
ヒーバー城まで6ポンドだったと思います。小さい駅なので念のためにタクシーは予約しました。
エデンブリッジという駅もあります。ちょっと紛らわしいので注意してください。
地元のタクシー会社
Relyon Cars
所在地:The Kiosk, Station Approach, Edenbridge TN8 5LP
電話:+44 1732 863800
ヒーバー城B&Bの予約方法
Booking.comで予約できます。
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